日本一わかりやすい「ニムト」のルール説明・レビュー

更新日 2019年12月10日

はじめに

「ニムト」は、場に出ている牛のカードをなるべく引き取らないようにするために、相手の手札を予測しながらカードを出すゲームです。このボードゲーム は、ドイツが誇る有名なデザイナーであるクラマーにより製作されました。

このゲームは、実際にプレイしてみるまで、面白さが理解しにくいゲームではあります。そのため、ルール説明を聞いた段階では、本当に楽しめるのか不安になるかもしれません。

しかしながら、実際にやってみると、駆け引きの面白さと戦略性に虜にされてしまいます。人数が少なければ戦略性が高まり、人数が多ければ盛り上がりが加速します。人数によって異なる楽しみ方ができるのも、このゲームの大きな魅力であると言えるでしょう。

それでは、当記事では、「ニムト」のルールと魅力を可能な限りわかりやすく説明していきます。

 『ニムト』の魅力!

・「これなら大丈夫なはず」がひっくり返される!?

・「思うようにならないもどかしさ!」でもそれがいい!

・6番目に置かないようにしなければならないようにする心理戦!


勝利条件とゲームの終了:

「ゲームの終了時」に、牛のカードによる失点が「最も少ないプレイヤー」が勝者となります。失点は、カードの枚数ではなく、カードに描かれている牛の個数となりますので、注意してください。

「ゲーム終了時」は、ラウンド終了時に牛のカードによる失点の合計を計算し、66失点を超えたプレイヤーがいた時点となります。その時点で各プレイヤーのカードによる失点を合計し、「最も少ないプレイヤー」の勝利となります!

 

あくまで、失点は「カードの数」ではなく、

「カードに書かれた牛の数」なので注意してください!

 

例)点数の数え方

牛一頭があるカードが4枚、

牛3頭が書かれたカードが2枚なので、

あわせて10失点となります!

 


ゲームの流れ

(1)ゲームの準備

カードを10枚ずつ各プレイヤーに配り、その後山札の上から、4枚一列に揃えます。

これでゲームの準備は完了です。

(2)カードの選択

 

各プレイヤーは、自分の手元のカードを見て、どれか1枚を選びます。

 

 

ここでは、「49」のカードを選びました。

 

 

(3)カードの公開

選んだカードは、裏向きにして中央に並べます。

全員のカードが揃ったら、一斉に公開します。

 

(4)カードを置いていくルール


公開されたカードは、ある決まりごとに従って、場に置かれた4枚のカードの横に並べられます。

このとき、カードを置く順番は、「カードの数字が少ないプレイヤー」からです。

ここでは、「40」のカードを出したプレイヤーから始まります。

 

 

さて、現在列はこのようになっています。

数字を置く基本的なルールとしては、

 

場の数字のいずれかの列の数字のものより、

大きな数字を出した場合には、

一番その数字に近いところの左に置くこととなります。

 

文字で説明するよりも

画像で説明した方がわかりやすいため、

画像で説明しましょう。

 

列のカードの数字は、

「33」「36」「52」「55」となっています。

また、自分の出したカードは「40」です。

 

列のカードの数字と比べてみると、

場のカードよりも小さいカードは「33」と「36」です。

 

このとき、「33」よりも「36」の方が「40」に近いことから、

「36」の横におきましょう。

 

さて、残ったカードの中で一番小さい数字は「41」です。

先ほどのルールに従って、このカードを置いてみましょう。

列の一番左の数字をみてみると、

「33」「40」「52」「55」となっています。

 

自分が出したカードよりも小さいカードは、

「33」「40」です。

 

このとき「40」の方が数字が近いので、

「41」のカードの隣においてください。

 

さて、残りのカードも全ておいてみると、

画像のような形になります。

また、新たにカードを手札から選び、裏向きにして場に出します。

 

(5)カードの回収〜6枚目には置かないで!〜

さて、(4)のルールにしたがって、カードを置いていったことを考えます。

現在、「75」のカードをおくところです。

現在のカードの列はこのようになっているため、

カードを置く場所は、ルールに従えば、「69」の横になります。

しかし、このとき数を数えてみると「75」は6番目に置くカードです。

このゲームのルールは、6番目にカードを置いたプレイヤーは、

その列にあるそれ以外の5枚のカードを引き取らなければなりません。

 

このゲームは、牛を引き取らないようにするゲームです。

そのため、「絶対に6番目には置かないようにしなければなりません。」

 

引き取った後は、自分が置いた6番目のカードは

そのままボードの上に残したままにしておいてください。

次は、このカードが起点となります。

このとき、引き取ったカードと手札は必ず区別してください。

手札のカードは失点にはならず、引き取って初めて失点となります。

そのため、手札に加えずに、自分の目の前に重ねて置いてください。

 

(6)出したカードの数字より小さい数字のカードがない場合

 

 

さて、先ほどのルールに従って、ゲームを進める時に、

出したカードがどの列の数字よりも小さい時があります。

例えば、下の画像のような場合を考えてみましょう。

 

 

この場合、数字が最も小さいのは「19」なので、

「19」を出したプレイヤーから並べていきます。

しかし、場には「19」よりも数字が小さいカードはありません。

このときは、どれか1列のカードを引き取ることと引き換えに、「19」のカードを代わりに置くことができます。

ここでは、プレイヤーは「52」のカードの列を選択しました。このプレイヤーは、この列にあるカードを全て引き取り、代わりに「19」のカードをおきます。

この時注意すべきなのは、どれか1列を引き取る時には、

その列の全てのカードを引き取らなければならないことです。

 

そのため、カードを引き取る際には、

カードに書かれた牛の数を十分に確かめる必要があります。

 

(7)ラウンドの終了と失点の計算

手札にある全てのカードを置き終えたら、そのラウンドは終了です。

手元にあるカードの失点のメモをとります。

例えば、上の画像では10失点となります。

 

集計が終わったら、引き取った失点のカードや

場に残っているカードを全て山札に戻し、

シャッフルしてまた新しいラウンドを始めます。


おわりに〜ニムトの魅力って何?〜

『ニムト』は、なかなかテーマ性で語ることが難しいゲームです。どこかの島を開拓することも、城の領土を広げることも、宝石商になることもありません。ただただ、牛を引き取るのみです。

ただ、『ニムト』はその分ゲーム性の面で語ることが多いボードゲーム です。人数が増えるごとに、少しずつ戦略が変化しますが、安全かと思ったら自分が貧乏くじをひかされたり、ピンチかと思ったら案外切り抜けることができたりするなど、毎回ドラマが繰り広げられます。

また、あえて場のカードよりも小さいものを出して、傷口が広がらないうちにカードを回収するなど、リスクを小さくすることも戦略に加わり、心理と戦略のバランスが優れたゲームであると言えます。

やってみるまで面白さがわからないゲームかもしれませんが、やってみれば必ずその魅力がわかるはずです!

 

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