TRPGとマーダーミステリー (マダミス)について比較してみた。

はじめに〜TRPGとマダミスが面白い〜

お久しぶりです、いとはきです。

コロナウイルスが再び猛威を振るい、ボードゲームを外で気軽に楽しむことが、難しい状況になりつつあります。筆者の方でも、以前開いていた初心者向けのボードゲーム会が、2回目が開催されないまま保留されている状況下にあります。しかし、その一方で、オンライン上で遊ぶことができる、TRPGやマーダーミステリー (以下マダミス)などには触れる機会が多くなりました。

筆者はTRPGとマダミスのいずれも楽しいと感じているのですが、僕の友人の中にはTRPGは好きだがマダミスは好きではないという方や、マダミスは好きだがTRPGは楽しめなかったという方もいます。そこで、今回はTRPGとマダミスの構成要素を比較し、両者の楽しみ方について再考していきたいと思います。

1. TRPGとマダミスってそもそも何?

TRPGは、自分の製作したキャラクターを演じつつ、共通の目標をシナリオの中で達成することを目指すロールプレイングゲームです。ゲームマスターと呼ばれる進行役とともに、戦闘や謎解きなどをプレイヤー同士で協力して行っていきます。

マダミスは、ミステリー小説の世界観の中で犯人役とそれ以外の参加者に分かれ、議論の中で目標の達成を目指すゲームです。キャラクターは用意されており、それぞれの背景やシナリオをもとにどう行動していくのかが醍醐味となっています。マダミスの詳しいルール説明は、以下のリンクで確認できます。

今話題のマーダーミステリー ゲーム(マダミス)とは?マダミスのルールや魅力を徹底解説!



 

2. TRPGとマダミスの比較

TRPGとマダミスの比較は、キャラクター・シナリオ・自由度・雰囲気の4つの側面から比較して考えていきます。筆者がここで想定しているのは、いわゆるオーソドックスなシナリオとなっておりますので、当てはまらないものがありましたら、申し訳ございません。

キャラクター

TRPGとマダミスは、いずれもキャラクターを演じるという点に関しては類似しています。しかし、キャラクターの製作者がプレイヤーであるのか、それとも、シナリオ製作者であるのかは両者で異なります。

TRPGではキャラクターの製作は、基本的にはプレイヤーに委ねられます。プレイヤーは性別・年齢・経歴などの背景から、秀でている能力のポイント割り振りまでが課されます。ストーリーによっては、同じ学校・職場などの制限があることも生じますが、基本的には自由度は非常に高く設定されています。つまり、キャラクター同士の関係性よりも、ここのキャラクターに重きが置かれると考えられます。細部までの作り込みもでき、キャラのグラフィックデザインをすることも可能なことから、TRPGの大きな醍醐味ともいわれるほどキャラクター製作は重要な立ち位置となります。

一方、マダミスではキャラクターの製作は、基本的にはシナリオ製作者により行われます。マダミスでは、キャラクターの背景は非常によく練りこまれています。マダミスでは基本的には殺人事件が生じるため、周囲の登場人物と被害者の関係や、登場人物同士の関係に重きが置かれることとなります。マダミスの大きな醍醐味の一つは、自分に配られたキャラクターの背景や、時系列です。製作者の作ったキャラクターを自分が動かすという行為は、マダミスの大きな特徴と言えるでしょう。

シナリオ

TRPGとマダミスは、ゲームマスター側からシナリオと呼ばれるゲーム全体のストーリーが渡される点は共通しています。あらすじからエンディングまで、ゲームマスターの選んだシナリオの中でキャラクターを動かしていくこととなります。しかし、シナリオの大まかな傾向は、それぞれ異なります。

TRPGのシナリオでは、基本的には、全体の目標達成のために協力することが求められます。シナリオによって、何が目標として定められているのかは異なりますが、登場人物同士が力をあわせることで、何かを達成するという点は比較的共通しているかと思われます。例外として、正体隠匿型のシナリオと呼ばれる、登場人物内に秘密裏に別のミッションをこなす裏切り者が混ざることもありますが、シナリオの数としては比較的少数ではあるかと思われます。そのため、TRPGの多くのシナリオでは、互いを信じることが前提条件として組み込まれていると考えられます。

一方、マダミスのシナリオでは、基本的には、陣営の目標と個人の目標をそれぞれ達成するために部分的に協力することが求められます。マーダーミステリー のほとんどのシナリオでは、殺人事件が発生します。このとき、プレイヤーは、犯人の陣営とその他の陣営に分けられます。その際、基本的には、犯人役のプレイヤーはいかに逃げ切るのか、そして、他のプレイヤーは、いかに物語の真相に辿り着くのかが陣営として設定される目標となります。また、マダミスの特徴としては、個人の目標が設けられていることがあげられます。これは、議論をかきみだしたり、特定の人物をかばうようなものとなっています。したがって、プレイヤー同士の間では、非常に疑心暗鬼な状態で議論を行っていきます。そのため、マダミスの多くのシナリオでは、互いを疑い合うことが前提条件として組み込まれている傾向にあると考えられます。

 

自由度

TRPGもマダミスも、物語の展開を参加者で作る点は共通しており、自由度はいずれも比較的他のゲームと比べれば高いと考えられます。しかし、その自由度についても、両者間で差異があると思われます。

TRPGにおいて、プレイヤーは、製作したキャラクターの行動を比較的自由に実行することができます。しかし、ここで自由度が制限されることがあります。それを行うのは、ゲームマスターです。ゲームマスターは、キャラクターの行動が、シナリオの道筋を大きく外すことになる場合、あるいは、世界観とそぐわないような行動をした場合などで、プレイヤーの行動を制限することがあります。これは、ゲームマスターとしてシナリオを遂行するために行われるものであり、同じシナリオであったとしても、制限の程度はゲームマスターによって異なると考えられます。したがって、TRPGの自由度は、ゲームマスターによって規定されるとも考えられるかもしれません。

一方、マダミスではプレイヤーは、議論や証拠品のやりとりを自由に行うことができます。自由度はTRPGと比べると低いですが、一つ一つの行動の変化が、全体のシナリオに大きな影響を与えます。マダミスにおけるゲームマスターの影響力は、TRPGと比べると非常に制約されています。シナリオによっても異なりますが、ほとんどの場合進行役を務め、判断を任されることはありません。一方で、ミッションや制限などはシナリオの製作者に委ねられています。したがって、マダミスの自由度は、シナリオの製作者によって規定されるとも考えられるかもしれません。



雰囲気

TRPGもマダミスも独特な雰囲気がありますが、感じる雰囲気は異なります。

TRPGはシナリオごとにかなり雰囲気が変わりますが、プレイヤー同士で騒いだり、ワイワイ楽しむシナリオが多く見受けられます。緊張感は終盤にいくにつれて高まりますが、基本的にはリラックスして落ち着いた状態でゲームに臨むことができます。これは先に述べた、協力を前提としたゲーム性であることも大きく関係していると思われます。

一方、マダミスでは、基本的には一定の緊張状態が続きます。制限時間が設けられていることから、常に時間を意識して行動するようになります。また、マーダーミステリー では、殺害した犯人が存在することから、それを探し出そうと疑心暗鬼な雰囲気になります。そのため、基本的には少しハラハラした気持ちになるかもしれません。これは先に述べた、疑い合うことを前提としたゲーム性であることも大きく関係していると思われます。

楽しみ方

TRPGとマダミスのいずれも楽しいと感じる人もいますが、どちらか一方はあまり楽しめないという方もいます。そこで、筆者の視点から、それぞれを楽しめる人について分析したいと思います。

TRPG

TRPGを楽しむことができる人の特徴として、協力して何かの目標を達成したい人があげられます。シナリオ内での謎解きや戦闘は、力を合わせることで攻略することができます。TRPGという名前にもある通り、RPGが好きな人もこのゲームを楽しめるかと思われます。自分でキャラクター制作を行うので、色々な設定やストーリーを考えることが好きな方にはTRPGの魅力が伝わるかと思います。TRPGを遊ぶ際に気をつけることは、ゲームマスターの選出とシナリオの選択に注意することです。厳しすぎるゲームマスターを選択したり、難しすぎるシナリオを選ぶことで、TRPGに対する苦手意識が出る可能性があります。

一方で、楽しむことができない人の特徴としては、いわゆる「自分で何かを作ること」に楽しみを感じない方かと思われます。TRPGでは、自分のキャラクターを作り、シナリオの中で物語を作っていきます。そのため、創作活動が苦手であれば、TRPGの楽しさは伝わらないかもしれません。

マダミス

マダミスを楽しむことができる特徴の人としては、物語の中に没入したい人があげられます。嘘をつくことが好きだという人よりは、話し合うことが好きな人の方が向いているかもしれません。マダミスでは、個人ごとにキャラクターシートと呼ばれる背景が書かれた紙が渡されます。プレイヤーが演じる主人公たちは様々な背景を持ちながら、殺人事件に巻き込まれていきます。その中には、他の人には言えないような事実が隠されているかもしれません。そのため、終わった後もそのキャラクターのことを好きになるくらい、キャラクターに入り込めるかもしれません。

よく人狼と比較されることはありますが、人狼とはかなり毛色が異なります。嘘を能動的につかなければいけない人狼と違って、マダミスはストーリーの都合上嘘をつく必要があります。そのため、心理的な抵抗感はマダミスの方が小さいと考える人が、筆者の周りでは多くみられます。人狼が嫌いだから、マダミスも嫌いだとは考えない方が良いかもしれません。

マダミスが合わない人は、緊張した雰囲気が極度に苦手な人が当てはまるかと思われます。疑い合うことや、疑心暗鬼な雰囲気が合わず、リラックスした状態で遊びたいという方は、あまりそぐわないかと思われます。感想戦の際には、緊張感から解き放たれリラックスした雰囲気に戻りますが、それまでは少しだけ重い雰囲気もあるかもしれません。



おわりに

今回の記事では、TRPGとマダミスについて比較し、それぞれを楽しめる人についても筆者独自の視点から提示させていただきました。しかし、ここで重要なのは、TRPGとマダミスの楽しさの質は、一緒に卓を囲む人によって大きく変わ流ということです。どれだけ楽しいシナリオであったとしても、一緒に遊ぶ人が楽しくなければ、おそらく楽しむことはできないでしょう。

また、この記事で提示したように、TRPGとマダミスの性質は少しばかり異なります。自分に適しているかわからない場合には、まずは軽いシナリオを1作プレイしてみてください。ハマるきっかけになることもあれば、あるいは、自分には合わないということがわかるはずです。

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