更新日 2022年3月25日
はじめに
将棋は多くの方に愛されるゲームですが、将棋教室などに通っていない限りはなかなか気軽に指せる場所がありませんでした。
しかし、現在はインターネットやスマホの普及によりどこでも将棋を指せる環境が整っています。
今回はその中でも最も有名な将棋アプリ『将棋ウォーズ』について、通算1000局以上指してきた筆者が仕組みや特徴について解説していきます。
将棋ウォーズとは
(出典:将棋ウォーズ)
将棋ウォーズはHEROZ株式会社が運営するオンライン将棋アプリケーションです。
利用者は360万人を突破しており、最大規模の将棋アプリとなっています。
また将棋ウォーズは日本将棋連盟公認のアプリでありながら、将棋の難しそうというイメージをなるべく払拭するために、派手なエフェクトやさまざまなアバターを用意するなど将棋の普及に大きく貢献しています。
アプリ内では無課金の場合1日3局、サブスクリプション課金した場合は無制限で対局が可能です。
対局は「10分切れ負け」「3分切れ負け」「1手10秒」という3つのルールが存在します。
「10分切れ負け」「3分切れ負け」はそれぞれ10分・3分の持ち時間が与えられ、持ち時間が過ぎると負けです。
「1手10秒」はその名の通り、1手に使える時間は10秒だけであり、テンポよく指していく必要があります。
そのほか、コンピュータとの「練習対局」(回数無制限)、他の人の対局を観る「観戦」などの機能・コンテンツも。
さらに、より将棋を楽しめるように以下のような特徴も備わっています。
・段級位制
・囲い・戦法のコレクション機能
・棋神
・大会
・指導対局
これらの特徴について、以下で詳しく説明していきます。
段級位制
将棋ウォーズでは「段級位制」が取り入れられています。最初は30級からスタートし、最高段位は十段です。
最初の方は1勝する度に級位が上がっていきますが、徐々に上がりづらくなっていきます。
具体的には「達成度」と呼ばれる値があり、達成度が100%になれば次の段級位に昇格、0%になれば降格という仕組みです。
対局の際は基本的にこの段級位によって自動マッチングされるので、同じくらいの実力を持つ相手と対局を重ねていくことになります。
またこの段級位制ですが、なんと日本将棋連盟から免状を発行することが可能です。
免状の発行は5級から可能であり、初段以上の免状については発行時の将棋連盟会長・名人・竜王の直筆の署名入りです。
発行には手数料がかかり、初段以上となると正直なかなか高額ですが、一つのモチベーションになるのではないでしょうか。
ちなみに筆者は現在初段ですが、いつか高段者と呼ばれる四段に到達した際には免状を発行しようかなと考えています。
囲い・戦法のコレクション機能
将棋には長い歴史の中で生み出されてきた多くの囲いや戦法がありますが、将棋ウォーズではこの囲い・戦法に注目し、コレクション機能を付けています。
対局の中で特定の条件が満たされると、以下のようなエフェクトが出ます。
これらのエフェクトが出た対局で勝利すると、そのエフェクトがマイページのコレクションに追加されていくという仕組みです。
このエフェクトを集めるのも将棋ウォーズの楽しみの一つで、いつも指している戦法とは違う戦法を指してみようという気になります。
またエフェクトを獲得すると、そのエフェクトの囲い・戦法の説明文が読めるのも面白いです。
例えば「四間飛車」の場合「”愛されている四間飛車。最古の棋譜もやはり四間飛車が使用されている。近年は居飛車穴熊に押されて苦しい情勢となっているが、復権が待たれる”」とあります。
このように戦法の歴史や考案者などを知ることができるので、将棋に対する理解が深まってより指すのが楽しくなります。
用意されているエフェクトは数百以上もあり、全て集めるのはかなり骨が折れますが、多くの戦法をマスターしてエフェクトを集めてみてはいかがでしょうか。
棋神
将棋ウォーズには「棋神」と呼ばれる機能があります。
棋神とは「Ponanza」という将棋ソフトウェアが数手代わりに指してくれたり、棋譜から棋力や最善手・悪手などを解説してくれるというものです。
この棋神ですが、なんと実力はプロの棋士にも勝利するほどで、対局の流れを大きく変えることができます。
ただし無制限で使える訳ではなく、課金での購入やイベントの報酬などで手に入るチケットを消費する必要があります。
課金しなくても数枚は手に入るので、特に初心者の方で「この場面でどう指せばいいか分からない…」という時に使用すると、非常に勉強になるのでおすすめです。
またこの棋神を上回る「ゴールド棋神」というものもあり、ノーマル棋神よりも多くチケットを消費することで、さらに強い棋神を降臨させることも。
棋神は対局の他にも棋譜解析でも使用することが可能で、どこが良くてどこがダメだったのかを棋神がチェックしてくれます。
こちらもかなり勉強になるので、後から対局を振り返りたい時などはぜひ試してみてください。
大会
将棋ウォーズでは定期的に「大会」が開催されています。
大会は基本、自動的に全アカウントが参加するようになっており、その大会の期間内の勝利数や勝率、連勝数などで順位が決まるという仕組みです。
大会には「個人の部」と「棋士団の部」があり、個人の部はそれぞれの個人成績で競い合います。
また将棋ウォーズには「棋士団」というチームがアプリ内で組めるようになっており、棋士団の部はチームの成績で戦うことが可能です。
大会である程度上位になったり、順位がゾロ目だったりした場合はランキング報酬をもらうことができます。
報酬には大会限定のアバターや棋神チケット、特製グッズなどがあるので、ランキングを上げていく楽しみがあります。
大会も将棋上達のモチベーションにつながりますので、定期的にどのような大会が開かれているかチェックしてみてください。
指導対局
将棋ウォーズは日本将棋連盟公認のアプリです。そのため、日本将棋連盟に所属する本物のプロ棋士と定期的に指導対局を行うことができます。
プロの棋士と対局できる機会はほとんどないので、かなり貴重な経験となりますよね。
指導対局は誰でも受けられる訳ではなく、「スーパープレミアム会員」というサブスクリプション(月額960円)に加入することで権利を獲得できます。
スーパープレミアム会員は指導対局を行う棋士が将棋ウォーズにログインしている時、抽選を申し込めます。
見事抽選に当たれば、プロ棋士との指導対局が始まるという仕組みです。
ただし、プロ棋士がログインしている時間は不定期であるという点に注意してください。
いつログインするか分からないので、こまめに将棋ウォーズをチェックする必要があります。
また指導対局後は無料で棋譜解析を行えるので、自分の手とプロ棋士の手を見比べながら振り返ることも可能です。
簡単に対局できる訳ではありませんが、もし機会に恵まれたらぜひチャレンジしてみてください。
おわりに
いかがだったでしょうか?
今回は最大級の将棋アプリ「将棋ウォーズ」の特徴や仕組みについて解説しました。
将棋ウォーズは将棋人口を増やすために、派手な演出やコレクション機能、棋神など初心者の方でも将棋が楽しめる工夫が散りばめられています。
もちろん将棋上級者の方も多くプレイしており、歯ごたえのある対局を楽しむことも可能です。
また日本将棋連盟公認という点を活かして、プロ棋士の声を対局中に再生できたり、指導対局を行えたりする点も魅力的です。
「これから将棋を初めたい!」という方には非常におすすめのアプリとなっているので、ぜひ試してみてください。参考になれば幸いです。