更新日 2022年1月13日
こんにちは、筆者のいとはきです。
最近様々な対面人狼に参加するようになり、改めて人狼の面白さを再認識するようになりました。私が、事あるごとに言っているのは、人狼の本質は人の心に寄り添うゲームであるということです。
相手が何を考えているのかを表情や言葉から察知し、それに対して適切な行動をとる。それこそが、人狼の核となる面白さであると考えています。
対面人狼にしても、チャット人狼にしても、そこには必ずプレイヤーがいます。プレイヤー同士が議論を行うことから、そこには必ずストーリーが生まれます。基本的なルールであるにもかかわらず、人間の感情の交流によりドラマが生まれることは、人狼にしかない魅力ではないでしょうか。
さて、今回のテーマは「人狼×恋愛」です。恋愛上の関係で重要になるのが、非言語コミュニケーションです。直接言葉に出さないことで生じる些細なことが、すれ違いのきっかけとなってしまうことがあります。そこで、人狼で培われる人の心に寄り添う力が役に立つのではないかと考えました。筆者のいとはきは男性であるため、男性視点での記事になってしまうことをご配慮ください。
ごはん決めに関する「なんでもいい!」は要精査ポイント。
デートでご飯を決めるとき、同棲していて料理を作るとき、「ごはん何にする?」の質問は男女両者がする質問かと思います。
そして、その質問に対する相手方の「なんでもいいよ!」という回答も、男女両者が受ける回答かと思います。それでは、本当に何を提供しても満足するのでしょうか。
ご察しの通り、「なんでもいいよ!」は、基本的に「なんでもよくないこと」であることは分かると思います。人狼だったら、発言が破綻していますね。
例えば、「じゃあ、マクドナルドにしよう!」とデートの食事を提案すればドン引きされるかもしれませんし、「なら、冷凍食品でいいよね!」と食卓に冷凍商品を並べると嫌な顔をされるかもしれません。
こんな理不尽なことは日常風景でよく見られます。提案側としては、「じゃあ、初めから食べたいものを言っておけよ。」と、内心憤ることでしょう。なぜ、なんでもよくないのに、なんでもいいと言ってしまうのでしょうか。
結論から言うと、ここにいう「なんでもいい」は、なんでもいいという意味ではなく、「今自分で食べたいものを考えるのが面倒くさいから、私にベストなアイデアをそちらで考えて、それを実行してね!」にあたります。「そんな横暴な!」とも思うかもしれませんが、多くの場合、こちらの意味であることが多いと考えられます。
これは、人間の回避的な思考に由来する行動です。人間は自分の頭で考えることをできる限り避けようとし、意思決定を相手に与えることで責任を回避しようとします。
明確な料理名を言うことは、自分のセンスや価値観を表明することになるので、できる限り相手に選択を委ねたいのです。しかし、そのように相手に委ねてはいるものの、正解は存在します。そのため、「なんでもいい!」という応答を受けた場合には、その正解を探し出さなければなりません。
さて、ここで人狼のテクニックを応用してみましょう。人狼で大事な要素としては、相手目線で考えることがあげられます。役職の真偽判断にしても、狼の単体精査にしても、その人が何を考えているのかを予測するのが大事です。
この問題に対しては、どのような解決方法が提案できるでしょうか。人狼の基本、質問と発言精査を行っていきましょう。このときには、できる限り、オープンな質問をした方がよいと思われます。例えば、人狼では、疑っていた位置がどこで、その位置が日の経過とともにどのように変化したかを聞くことがあります。このように間口を広げることで、その人の思考を精密に聞くことができると考えられます。
つまり、「中華がいい?」や「イタリアンがいい?」といったクローズドな質問よりも、「結構おなか減ってる?」や「昨日は何食べた?」など、そのもの自体よりも間接的に情報を探る必要があるかと思います。ここで重要なのは、情報を収集していると思わせないことです。相手に気を使わせないように、こちらも楽しく分析していきましょう。
また、この際の表情の変化にはよく着目しておきましょう。「マクドナルド」という言葉を出した瞬間に、彼女の顔が、真占い師に人狼という結果を出された狼みたいになるかもしれません。質問に対する非言語の反応にも気を配る必要があると考えられます。
このように、「なんでもいいよ!」には、男女ともに要注意であると考えられます。相手を人狼だと思って発言精査を試みましょう。
恋人の「ううん、なんでもない。」に対しては、情報整理が必須!?
例えば、恋人の女性が悲しい顔をしていたとします。
あなたは、声をかけました。
「大丈夫、何かあった?」
これに対して。女性がこう答えます。
「ううん、なんでもない。」
言葉ではそう言っているものの、
女性のその表情は、やはり、とても悲しそう。
いや、怒っているようにも見えます。
このとき、あなたはその発言を聞いてこう思いました。
「なるほど、なんでもなかったんだ、よかった!」
まるで、見当違いです。こんな地雷を踏んでしまえば、関係にひびが入ることは間違いないでしょう。
冗談はさておき。ご察しの通り、たぶん女性には何かあったのだと思います。このとき、何かあったのを察するのは比較的容易かもしれませんが、何が原因となって悲しんでいる、あるいは、怒っているのかを特定するのは至難の業です。
さて、この時、人狼では何をするでしょうか。そう、情報整理と考察です。人狼ゲームでは、与えられた様々な情報をもとにして、人狼を探すことを試みます。
同様に、相手の気持ちを考察することを試みてみましょう。おそらく、問題となったと思われる要素は散らばっているはずです。何か面接の予定が入っていたとか。最近会う頻度が少なくなったとか。あるいは、他の女性と歩いているのを見られてしまったとか。
問題となったと思われる要素を被らず漏れることなくあげ、その後、一つ一つ否定していきましょう。その後、最後に残った要素が、おそらく問題となった要素であるはずです。
例として、私の事例をあげましょう。
僕が過去に交際していた女性は、家に着くや否や、なにやら怒りに似た表情を浮かべていました。非常に怖かったです。そして、「何かあった?」と聞くと、「なんでもない」と返されました。これで何でもなかったとしたら、その子の前世は般若かなんかなんだろうな、と思って震えていました。
そういえば、就活中の彼女は、面接当日だったことを思い出しました。思えば、今日は第一希望の会社だったはず。もしかしたら、面接に失敗していたのかもしれない。他にも様々な要素が浮かびましたが、やはり決定的な要素としては面接しかわかりませんでした。
そこで、筆者は確信をもってこう答えました。
「もしかして、今日の面接で何かあった?」
しかし、その子は「は?」と怒りを交えて短く答えた後、冷蔵庫の方を指さしました。その女の子が怒っていた真の原因は、冷蔵庫に入っていたエクレアを、私が勝手に食べたからでした。発言精査は、非常に難しいことが分かりました。ちなみに、面接は、無事に突破したらしいです。
おわりに~『人狼×恋愛』は成り立つのか?~
個人的にですが、人狼ゲームは恋愛というカテゴリーのみならず、対人間のコミュニケーションについて幅広く応用できるような気がしています。もちろん、現実世界には人狼や占い師はいませんが、相手の心に寄り添うという行動は、欠かすことができない行動の一つではないかと考えています。
筆者のいとはきは、会話が楽しくなる法則について考えるようになりました。私が導き出した答えの一つは、会話が楽しくなる時のテーマは異なるものの、状況は同じであるということです。その状況とは、自分が相手の話に興味を持った時、あるいは、自分の話に興味を持っていると感じてもらえているときです。コミュニケーションは、相手と心が通じ合ってると感じる際にもっとも魅力的に感じるのではないでしょうか。
これは、人狼にも当てはまります。盤面考察は人狼特有のものです。しかし、相手のプレイヤーの発言を把握し、それを主軸として精査を行う行動ができるプレイヤーは、非常に強く、そして魅力的に映るのではないでしょうか?
人狼の上達と恋愛の上達には、強い相関性があるとは考えにくいかもしれません。しかし、人狼を行っていく中で、コミュニケーションの大切に気づくこともあるのではないでしょうか?
この記事が、皆様の人狼ライフをよりよくするものとなれば幸いです。