【人狼エッセイ4月号】人狼の初心者ってどこからどこまで?【いとはき】

更新日 2020年2月20日

はじめに~あなたは人狼初心者ですか?~

こんにちは、人狼攻略記事の多くを執筆しておりますいとはきと申します。人狼歴は高校生の頃に2年間行い、昨年から人狼を再開したので、合計3年程になるかと思います。おそらく、人狼中級者にあたるのではないでしょうか。さて、今回のテーマは人狼の初心者についてです。

「あなたは人狼初心者ですか?それとも中級者、上級者ですか?」

こう質問すると多くの方が「私は、初心者です。」と答えるのではないでしょうか。体感では、8割から9割の方がこう答える印象です。しかし、実際にそう答えた人のプレイを見ていると、「絶対に初心者ではない」と思うことがあります。つまり、人狼というゲームには自称初心者が溢れていることになります。



 

 

「初心者が多いことはいいことなのでは?」という指摘もあるかと思いますが、この人狼における初心者過多の状況は、ある問題を引き起こしています。当記事では、筆者の体験とともにその問題点を明らかにし、解決策について考えます。


1.自称初心者によるマウンティング行為がもたらす入門者の離脱

初心者という括りであるにもかかわらず、その実力は一定ではありません。人狼を覚えたのが初めてで役職を把握するので精一杯の人もいれば、基本的な進行や発言について網羅している人もいます。なかには、チャット人狼では10行以上の長文考察を落とし、対面人狼では自分の意見を論理的に出せるにもかかわらず、初心者を名乗る方もいます。

当記事では、役職の把握程度しかわからず、人狼自体の経験が10回に満たない程度の方を入門者。明らかに中級者以上でもあるにもかかわらず、初心者を名乗る方を自称初心者と定義します。※後半の項で、より詳しく定義します。


さて、問題として生じるのが自称初心者で、かつ、入門者に対して排他的な方の存在です。自称初心者であっても、入門者に寛容で時には簡単なアドバイスを行うような方もいます。このような方は、入門者にとって非常に良い存在であり、人狼を楽しく遊べる支えになるかと思います。

しかし、問題となるのが、排他的な自称初心者です。これは、自身は初心者であると名乗っているにもかかわらず、同村する入門者には厳しく非難するような方です。

自称初心者に批判された入門者が、「もう二度とこんなゲームしない。」と言って消えていく姿を見た時、胸が非常に苦しくなるような気持ちになりました。このような行為が増えると、新規の入門者が離脱する可能性があります。初心者歓迎部屋などでは、入門者に配慮した進行を行うことが必要です。もちろん、人狼ゲームとして、手を抜くといった行為は避けるべきですが、できる限り専門用語を省いたり、ところどころ説明をしたりする必要があるかもしれません。

しかしながら、「ルールがわからないならこのゲームをやるな」「あなたはリアル狂人だからもう二度と人狼はしないで」などといった言葉は、不用意に入門者を傷つけてしまうと思われます。このような行為を、マウンティングといいます。

マウンティングとは、自分が優位に立つために相手を批判したり、序列関係を示そうとすることです。このようなマウンティング行為は、人狼を楽しみにしていた入門者を人狼ゲームのアンチへと変えてしまう可能性があります。

自称初心者のすべてがそうだというわけではありませんが、このようなマウンティングが、入門者の離脱を引き起こす要因の一つとなると思われます。しかし、自称初心者がなぜ生じることとなるのでしょうか。次項では、一定の見解を表したいと考えています。




2.自称初心者はなぜ生じるのか?

正直なところ、自称初心者が生じてしまうのは仕方がないことです。というのは、中級者のレベルが非常に高く設定されているからです。中級者は、適切な考察を落とし、ときには、強い口調で威圧します。また、盤面整理や進行などの基礎的な知識を備えているために、なかなかミスをしない傾向にあります。

ボイス人狼の人狼殺や1部の対面人狼では、中級者のハードルは低い傾向にありますが、るる鯖や人狼ジャッジメントなどでは、中級者の壁は高い形になっています。このことから、初心者ではないけれど、中級者を名乗ることも難しいという意味で、初心者にとどまらざるを得ない方が現れてしまいます。

見方を変えれば、自称初心者の方もまた被害者です。中級部屋・上級部屋にチャレンジしようと試みたところ、心無いプレイヤーから「お前はまだ早い」「初心者からやり直せ」とのコメントを受けることもあるかもしれません。適切な評価であればよいですが、単なるマウンティングであることも多くあります。ここで心を折られたプレイヤーは、中級部屋・上級部屋に入ることが非常に怖くなります。そこから、初心者部屋に入ることを動機づけられ、抜け出せなくなります。

また、初心者から抜け出したくない方もいます。初心者部屋の雰囲気は、緩く居心地が良いことが多いです。人狼を本気で行うというよりは、人狼の雰囲気を楽しむことを主にしている部屋もあり、中級者・上級者としてふるまうことを望んでいない方もいます。

以上のことから、様々なことが原因となり、自称初心者は現れます。自称初心者の存在自体は、決して悪いものではありませんが、悪質なプレイヤーがいることもまた事実です。悪質な自称初心者のマウンティングは、入門者の離脱を生じさせます。

一方、人狼のルールや基本的な進行を覚えたプレイヤーとプレイしたいけれども、入門者を望んでいない方ももいます。人狼を楽しみたいが、そこまで本気で行うことを望まないプレイヤーです。私は、人狼ゲームにおいてこの層が最も厚いと考えています。このようなプレイヤーは、本当に何もわからない入門者に対して、負の感情を抱くこともあります。これは、あくまでもルールや基本は覚えたうえで人狼を楽しみたいと考えるからです。

それでは、全員が楽しく人狼を行うためには、どのような解決策があるのでしょうか?




3.初心者を分ければよいのでは?初心者の3分類

さて、初心者の範囲が非常に広いことは、当記事において十分に説明できたかと思います。しかし、その受けの広さが、先に述べたような問題を引き起こしています。そのため、初心者という言葉を、さらに明確に分けることで問題を解決できるのではないかと考えています。

入門者:

人狼のルールや各役職の役割をほとんど覚えていない。基本的な進行が分からず、ときには、全く異なる誤った行動を取ってしまうこともある。ゲーム内の専門用語については、参照しなければ分からない。議論の際に、何が議論されているのかが1部分しか分からず、発言が少なく処刑されてしまうことが多い。人狼陣営になったとき、嘘をつくことがほとんどできず、ときには、人狼陣営が敗北する決定要因になってしまうことがある。

 

初心者:

人狼のルールと各役職の役割について、一定程度理解している。基本的な進行について把握しており、状況に合わせて必要な行動が思い浮かぶ。ゲーム内の専門用語については、頻出する単語であれば理解することができる。議論の際に、何が議論されているかについては一定程度理解でき、発言をすることができる。人狼陣営になった時の嘘のつき方はわかるが、上手く振舞えないことがよくある。

 

初級者:

人狼のルールや各役職の役割について理解している。基本的な進行について把握しており、状況に合わせて必要な行動が思い浮かぶ。また、進行について提案や助言を行うことができる。人狼の専門用語について常用のものに関して使いこなすことができる。議論の際に、何が議論されているのかについて理解でき、発言をすることができる。自分の考え方を組み立て、役職の真偽や人狼位置を考察することができる。人狼陣営になったとき嘘をつくことができるが、論理的に正しくない嘘をついてしまうことや不自然な言動があることから、偽物と見破られてしまうこともある。

 

さて、読者の皆様はどこに該当するでしょうか。おそらく、自称初心者の何割かは初級者に該当するかと思います。このように分けると、入門者初級者が同じ村で戦うのは、非常に難しいことではないかと思われます。もちろん、入門者の中には初心者初級者の会話を聞きつつ自ら学んでいく姿勢を有するプレイヤーもいると考えられます。しかし、初心者初級者の圧に屈し、人狼をやめてしまうプレイヤーもいるはずです。

この議論は、どちらが悪いかを問うものではありません。初心者初級者も、入門者のいない部屋で遊ぶことができるのであれば、その部屋を楽しみたいプレイヤーもいるはずです。このことから、初心者の区分をさらに分ければいいのでは?ということを提案させていただきました、

しかしながら、おそらくこの提案は、実務の面からは採用されないように思われます。初心者を分けることで、部屋自体が立たなくなってしまうためです。例えば、人狼ジャッジメントを例に挙げます。このアプリの部屋の多くは、初心者部屋となっています。もし、初心者部屋を当提案のように分けてしまうと、部屋が既定の人数に達しないことも考えられます。人数が集まらなければ、ゲーム自体を開始することができないため、本末転倒になってしまう恐れがあるからです。

このような状況下では、初心者初級者は居心地が悪いかもしれませんが、入門者に対して適切な配慮を行うことが重要となることを心の片隅に置いておきましょう。そして、入門者初心者に成長するのを見守る姿勢が非常に重要となるのではないでしょうか。




おわりに

いかがでしたでしょうか。

今回は人狼ゲームの初心者について考えてみました。初心者の層は非常に厚いけれども、そのレベル帯は一様ではないことを明らかにし、そこから生じる問題について明らかにできたかと思います。当記事の議論は、筆者の辛い経験からきたものです。

昔、某掲示板型人狼で「初心者歓迎部屋」に入ったところ、ボコボコにされた上に「二度と人狼するな」との批判を受けました。そこから、いったん人狼を離れてしまうきっかけにもなりました。

初心者が多いことはとてもいいことですが、不用意なマウンティングにより、他者を傷つけてしまわないように、最大限の注意を払う必要があるかもしれません。

当記事が、皆様の人狼ライフを楽しくするきっかけとなればと思います!

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