ボードゲームを製作する授業!? 専門学校日本デザイナー学院九州校「ゲームプランニング」

更新日 2019年3月21日

ボードゲームを通じて社員研修を行ったり、子育てに利用したり等ボードゲームが教育に使われていく事も最近は多くなってきましたね。先日は名古屋大学のボードゲームを遊んで単位が取れる授業を紹介させていただきました。

それだけではなく“ボードゲームを製作する”という学校の授業も日本にあるのです。

今回ご紹介させて頂くのは、専門学校日本デザイナー学院 九州校 ゲームクリエイター科「ゲームプランニング」という授業です。
そしてこの授業、ただボードゲームを製作するだけではありません。自分の適性等も含めて全てボードゲームから学んでいく、驚くほどにボードゲーム尽くしの授業なのです。



<ゲームプランニングとは?>

「ゲームプランニング」は入学して間もない学生たち向けの授業で、好きなゲームをプレイして製作をすることを通じて自分の適性を早い段階で見極めることに重きが置かれています。

そして自らの適正と共に、ゲームクリエイターとしての分業とチームワークをボードゲームの製作を通じて学んでゆきます。

~ボードゲームで自らの適正を見極める~

まず学生が授業で最初に行うのは、名作ボードゲーム「カタンの開拓者たち」のチームプレイです。チームを入れ替えながらこれをなんと、1か月半かけて繰り返しプレイします。

このチーム対抗カタンにより、リーダーシップや戦略性、コミュニケーション能力、マネジメント力等それぞれの学生の持つ適正(可能性)を、教員のフィードバックをもとに学生が見つけていきます。

また単純にプレイしていくだけでなく+αの要素等、カタンをカスタマイズして考察をしていきながらも実際のゲーム開発を考えていきます。そういった点も踏まえてカタンをプレイし、考察していく事で、自分がグラフィック向けなのか、プログラム向けなのか、制作進行・プランナー向けなのか?という点も分かっていくそうです。

そして一通りカタンを研究した後、【0 → 1】のオリジナルのボードゲーム制作に入っていきます。チーム分けをして、 企画~プレゼン、サンプル制作を行い、最終的には製作作品を10月の学園祭で発表するのが授業のゴールです。

*学生のボードゲーム製作の様子



~製作作品「pickel (ピッケル)」~

そして授業で製作された中でも2018年の学園祭で学内評価の高かった作品がこちら、「pickel (ピッケル)」です。

このゲーム、Game Marketで見かけた方も多いのではないでしょうか。今年(2019年春)のゲームマーケット大阪に、製作された学生の方々が出展されておりました。(ブース名:堤)

*ゲームの概要*

ピッケルは穴を掘ってゆき、誰よりも早く奥にあるお宝の獲得を目指すゲームです。ランダムに引いた道タイルを繋げてお宝までの道をつくりながら、特殊カードで他プレイヤーを妨害したりしていきます。

プレイヤーは毎ターン①と②を順番に行っていきます。
①タイルかカードを引く
②“1マス進む“か“タイルを置く“か“カードを使う“

まっすぐお宝に向かって進みたいものの、引いたタイルの方向にしか穴を掘ることが出来ません。なので行き止まりになってしまったり、せっかくつくった道も相手に破壊されてしまったり等、なかなか一筋縄ではいきません。そして全員がゴールまで残り1~2手となった最終局面では、お互いに邪魔をしあう白熱した展開となります。

 私もこのゲーム、ブースにて試遊させていただきましたが非常に良く出来ていて、2回戦までお願いして遊ばせていただいてしまいました。(残念ながら既に完売していたため購入はできませんでしたが)

カードの効果は単純なものばかりです。なので簡単にゲームのルールを理解することが出来、1回目のプレイでも十分に運や駆け引きを楽しむことが出来ました。もちろん、インストの時間や負担も少ないです。そういった点でもプレイヤーを選ばない良いゲームですね。



ちなみにこのゲーム、コンポーネントの手作りも凄いです。

道タイルは、アイロンビーズで手作りされています。1ゲームで100個近くありますね。トータルですごい数作ってそうです。

続いてプレイヤーの分身であるピッケルさん。これもデザインが凝っていますね。穴を掘って進むというコンセプトにあっていて没入感を駆り立ててくれます。

このコマも授業の中で学生の方自ら設計し、3Dプリンターで製作されていました。


「ピッケル」は非常に学内評価の高い作品であったため、「もっと対外的な評価を受けて、今後の糧にできたらいいのではないか?」とのことでこの授業で初めてゲームマーケットに出店されたとのことでした。

「ピッケル」は、パッケージなど改良点を加えて今後また発表されていくそうです。今後の活動に期待が出来ますね。また来年のゲームマーケットではこちらの学生の方々の、新作ボードゲームとも出会えるかもしれません。

ゲームクリエイターを目指している方も是非、専門学校日本デザイナー学院 九州校 ゲームクリエイター科をチェックしてみてはいかがでしょうか。

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