【将棋】プロ棋士になるには?奨励会や八大タイトルの仕組みについて!

将棋人口は500万人以上と言われていますが、その中でもトップに君臨しているのが約200人のプロ棋士で構成されている「プロ棋界」です。

 

昨今では破竹の勢いでタイトルを奪取している藤井聡太さんや、TVでよく見かける加藤一二三さんの活躍もあり、プロ棋界にも注目が集まっています。



今回はそんなプロ棋界の仕組みや、タイトル戦などについて解説します。

 

プロ棋士になるには

 

プロ棋士になるためには「奨励会」という棋士養成機関に入るか、「棋士編入試験」に合格する必要があります。

どちらも非常に難しい条件であり、プロ棋界がいかに厳しい競争社会であるかが伺えます。

 

奨励会

「奨励会」は棋士養成機関であると上述しましたが、将棋を始めたい子どもが入会する、といった甘い世界ではありません。

 

奨励会に入会する子ども達は全員「天才」「神童」と呼ばれているような、すでに実績を残している者のみです。

 

そのような子ども達が集められ、月に2回行われる「例会」というものに参加します。
例会で他の奨励会員と対局し、段級を上げていくのが奨励会員の1番の目的です。

 

奨励会では6級〜三段までで構成されており、それぞれのクラスで決められた成績を残すことで次の段級に昇格できます。

 

三段となり、半年に及ぶリーグ戦で上位2名に勝ち残った者が四段に昇格し、やっと正式なプロ棋士となります。

奨励会に入会することすら困難ですが、入会したとしてもほとんどの者がプロ棋士まで辿り着けずに去っていくことが多いです。

 

棋士編入試験

「棋士編入試験」は奨励会以外でプロ棋士になれる試験です。

ただしかなりの特例であり、これまで棋士編入試験を受験したことがあるのは4人のみとなります。

 

アマチュア棋士の世界で圧倒的な成績を残し、プロ棋士にも劣らない実力を持つ方だけが棋士編入試験を受験することができます。

 

現在の規定では四段のプロ棋士相手に5番勝負を行い、3勝を挙げれば合格です。

棋士編入試験を受験するのは、そもそもプロでも活躍できる実力を持っている方のみなので、2022年時点では受験した4人全員が合格しています。

 

近年では2021年に、YouTubeで活躍していた元奨励会員の折田翔吾さんが合格したことで話題となりました。



八大タイトル戦

晴れてプロ棋士となった後も競争は続きます。

さまざまな形で対局が行われていますが、最も有名なのが「タイトル戦」と呼ばれる8つの大会(棋戦)です。

 

タイトルを獲得した棋士は全将棋界の頂点として、最高の名誉や高額な優勝賞金を獲得することができます。

ここでは8つのタイトル戦についてそれぞれ解説していきます。

 

竜王戦

「竜王戦」は読売新聞社が主催する、1987年に誕生したタイトル戦です。

 

特徴は何と言っても優勝賞金であり、タイトル戦の中でも最も高額な4,400万円に設定されています。

この優勝賞金もあり、八大タイトルの中でも最も序列の高いタイトルです。

 

仕組みとしては、まず全プロ棋士と選出された奨励会員、アマチュア棋士、女流棋士が6つの組に分けられます。

1組が最もランクが高く、6組は1〜5組以外のプロ棋士とプロ以外の棋士の参加です。

 

各組の中でトーナメント戦を行い、勝ち抜いた11人の棋士だけが決勝トーナメントに進めます。

さらにこの決勝トーナメントを勝ち抜いた棋士がその年の挑戦者となり、タイトル保持者と7番勝負を行います。

 

先に4勝を挙げた方がようやく優勝となり、1年間「竜王」を名乗ることになります。

2022年1月時点では藤井聡太さんが竜王保持者です。

 

名人戦

「名人戦」は竜王戦と並び、最も格式の高いタイトル戦の一つです。

理由としては、最も歴史が長いことと、挑戦できるまでに長い時間がかかることが挙げられます。

 

名人の歴史は江戸時代にまで遡り、近代までは世襲制でした。

1935年に完全実力制となり、「順位戦」と呼ばれるリーグ戦に勝ち上がっていくことで名人に挑戦できるようになります。

 

順位戦は5つのクラスがあります。C2、C1、B2、B1、Aです。

奨励会から上がってきた四段はC2から始まり、それぞれのクラスで上位2〜3名が次のクラスに進むことができます。

 

そして最高位であるAクラスで優勝した棋士が、その時点の名人に挑戦します。

7番勝負を行い、先に4勝を挙げた方が名人のタイトル獲得です。

 

名人戦に挑戦するには最短でも5年かかること、そして各クラスで成績が悪いと降格する可能性もあることから非常に獲得難易度が高いタイトルとなっています。

 

2022年1月時点では渡辺明さんが名人保持者です。



王位戦

「王位戦(おうい)」は新聞3社連合が主催するタイトル戦で、序列3位とされています。
2021年に伊藤園が特別協賛を発表したことから、現在の正式な表記は「お〜いお茶杯王位戦」です。

 

王位戦の仕組みは、まず王位保持者とシード4名以外の全棋士が8つの組でトーナメント戦を行い、勝ち抜いた8名とシード4名が総当たりのリーグ戦を行います。

リーグ戦を勝ち抜いた1名が挑戦者となり、王位保持者と7番勝負によって王位を競います。

 

2022年1月時点では藤井聡太さんが王位保持者となっています。

 

王座戦

「王座戦(おうざ)」は日本経済新聞社が主催する序列4位のタイトル戦です。

 

王座戦は一次予選、二次予選で勝ち抜いた棋士とシードの棋士、計16名で挑戦者決定トーナメントを行います。

トーナメントの優勝者は王座保持者と5番勝負を行い、先に3勝を挙げた者が王座となります。

 

王座のタイトルは羽生善治さんが有名で、かつて19期連続でタイトルを保持しつづけていました。

2022年1月時点では永瀬拓矢さんが王座保持者となっています。

 

棋王戦

「棋王戦(きおう)」は共同通信社が主催のタイトル戦で、序列は5位となります。

2021年よりコナミホールディングスが特別協賛になったので、正式名称は「棋王戦コナミグループ杯」となりました。

 

棋王戦は予選を行い、通過者とシード者でトーナメントを行います。

また棋王戦は敗者復活があるのが特徴で、トーナメントの勝者と敗者復活戦の勝者が対局し、勝ち上がった1名が挑戦者です。

 

挑戦者と棋王保持者が5番勝負で戦い、棋王の座が決まります。
2022年1月時点では渡辺明さんが棋王保持者です。

 

叡王戦

「叡王戦(えいおう)」は不二家が主催する、2015年開始の最も新しいタイトル戦です。

 

叡王戦は四段〜九段の段位別で予選を行い、段位予選通過者とシード者で本戦トーナメントを行います。

本戦トーナメントを勝ち抜いた者と叡王所持者で5番勝負を行い、次期叡王を争います。

2022年1月時点では藤井聡太さんが叡王保持者です。

 

王将戦

「王将戦(おうしょう)」はスポーツニッポン新聞社と毎日新聞社が主催のタイトル戦です。

2021年からは綜合警備保障が特別協賛となり、正式名称が「ALSOK杯王将戦」となりました。

 

王将戦は一次、二次予選の通過者とシード者で総当たりのリーグ戦を行い、1位となった棋士が王将保持者に挑戦します。

 

王将戦は7番勝負となっており、先に4勝を挙げた者が次期王将を獲得します。

2022年1月時点では渡辺明さんが王将保持者です。



棋聖戦

「棋聖戦(きせい)」は産業経済新聞社が主催のタイトル戦です。

 

棋聖戦は一次、二次予選の通過者とシード者の計16人で決勝トーナメントを行い、挑戦者の座を競います。

挑戦者と棋聖保持者は5番勝負で戦い、先に3勝を挙げた者が次期棋聖です。

2022年1月時点では藤井聡太さんが王将保持者となっています。

 

棋聖戦はかつて竜王戦、名人戦に次いで第3位の序列を誇るタイトルでした。

しかし、優勝賞金が引き下げられるなどの理由によって序列が下がり、現在では八大タイトルの中では最も序列の低いタイトルとなっています。

 

まとめ

今回は将棋界のトップであるプロ棋界の仕組みやタイトル戦について解説しました。

 

プロ棋界は厳しい競争社会として知られており、プロの棋士になれるのもほんのごく僅かです。

また、プロになってからも数え切れないほどの勝利を積み重ねて、ようやくタイトルを獲得することができます。

 

プロ同士の対局は想像もつかないような手が飛び出してくるなど、非常に魅力的なので将棋を指す方はぜひ一度観戦してみてください。

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