【人狼エッセイ8月号】人狼のプレイスタイルを分類してみた。

更新日 2019年10月10日

はじめに

皆さんは人狼を楽しんでいますか?私は、最近人狼をしていると、人によってプレイスタイルが大きく異なっていることに気付きました。その中には、穏やかに説得を図る仏のような人もいれば、説得の際に大声で怒り出す人さえもいます。人狼では人間性が出るともいわれていますが、確かに、人の説得の仕方や考察の仕方はプレイヤーによって非常に大きく異なる気がします。

そこで、今回の記事では、私の経験をもとに、出会ったプレイヤーを大きくパッションスタイルとロジカルスタイルに分類したいと思います。自分はどちらに当てはまるのかを考えてみてみるのも楽しいかもしれません。




1. パッションスタイル

パッションスタイルとは、感情を強く表に出すことで他のプレイヤーを説得し、信頼を勝ち取ろうとするスタイルのことをいいます。無意識のうちに熱くなって感情を出すプレイヤーもいますが、信頼を勝ち取るために意図的に感情を出すプレイヤーもいます。

人狼では、感情と発言との関連性が重要になる局面があります。例えば、本物の占い師であるはずなのに、本物のような感情が伝わってこない。あるいは、村人であるはずなのに緊張感が伝わってこないなどの状況があります。このような状況下ではパッションスタイルが有用に働くことがあります。

しかし、パッションスタイルはある状況下では、嫌われることがあります。特に、注意すべきなのはネガティブパッション型です。ネガティブパッション型とは、怒りや呆れなどの感情を大きく出して、自分の感情を伝えようとするスタイルをいいます。ときには、強い語気で威圧することにより、自らの主張を通そうとします。この種のタイプは、対面人狼よりもむしろチャット人狼やボイス人狼で多い傾向にあります。対面形式ではなく感情を表に出しにくいからこそ、過剰にネガティブな感情を表現します。確かに、ネガティブパッションは信用獲得に貢献する可能性がありますが、あまり過剰にやりすぎると村の雰囲気を崩壊させることもあります。例えば、過剰なネガティブパッションとしてはこのような発言が考えられます。

『私は本物の占い師なのに吊るなんて信じられない。マジで何考えてるか分からないし、こんな村負ければいいわ。もうみんな頭悪すぎるから二度と人狼やらないでね笑』

『ふざけんな!もういいわ….。何言っても伝わらないならこんなゲームどうでもいい。村の人は終わってから結果見て反省してくださいね~』

このような発言は、自分が真役職や村人の場合に無意識に出すこともあります。しかし、ときには信用を獲得するために人狼陣営であえてこのようなパッションを用いることもあります。このような発言を聞くと、真要素としてとってもらえることもありますが、言葉が非常に強いことから他のプレイヤーを萎えさせてしまうことにもつながります。そのため、状況と人物をよくみなければ、多くの方から嫌われてしまうことがあるので気を付ける必要があります。

一方でポジティブパッションは、あまり人を傷つけることはありません。ポジティブパッションとは、あくまで自分の非を認めたり、村の間違いを正しく指摘することで信用を獲得しようとするスタイルをいいます。最後まであきらめない姿勢をみせることで、処刑された後の遺言で村人らしく見えたり、真役職に見えることがあります。こちらは、過剰なネガティブパッションとは異なり、あまり悪い印象は与えません。

パッションスタイルは、使い方によっては毒にも薬にもなる非常にリスクの大きいスタイルです。無意識のうちに出ている場合には、自分が過剰なネガティブパッションを出していないか見つめなおす必要があるかもしれません。




2.ロジカルスタイル

ロジカルスタイルとは、論理的に物事を考えることにより説得力を出し、信用を獲得する方法をいいます。ロジカルスタイルは、人狼ゲームの経験が深いプレイヤーに多くみられます。ロジカルスタイルのプレイヤーは、論理的に思考を整理することにより盤面考察や進行を得意とします。ロジカルスタイルは、ロジカルメソッド型とロジカルシンキング型の大きく二つの種類があるかと思いますが、どちらも兼ね備えているプレイヤーもいます。

ロジカルメソッド型とは、論理的に進行方法の提案を行ったり、役職の真偽判断を行ったりする方式です。いわゆる、方法論提案です。こちらは、正しく盤面整理を行う能力がカギとなります。論理的な思考は、感情よりも正しさを伝えられるという特徴があります。一方で、同じゲームを囲んでいるプレイヤーの能力によっては、正しいことを言ったとしても理解されないことがあります。そのため、論理的な思考を正しく伝えるための能力が必要になるという点で、プレゼンテーション能力も要されるかと思われます。

ロジカルシンキング型とは、ロジカルメソッド型の発展形をいいます。盤面整理をした後に、その結果から自分はどう思うのかという思考にまで落とし込むことを特徴としています。ロジカルシンキング型は、初心者には難しく、中級者・上級者が行うことが多い考え方であるかと思います。初めに端的に結論を述べた後に、どうしてそう思ったのかという理由付けを行うことから、意見を村人に正確に伝えることで信用獲得を行うことができます。




おわりに~正解はないが理解が必要~

今回の記事を通じて言いたいことは、ロジカルとパッションのどちらが正しいか、どちらが優位であるかということではありません。どちらの要素も、盤面によっては非常に有用になることはあり、優劣をつけることなどできません。しかし、重要なのは意見が対立することがあるという点です。人狼においては意見が対立すると、非常に相手が黒く見えてしまうことがあります。実際に終わってみると、村同士で殴り合っていてそれを人狼が眺めているというケースも稀ではありません。このとき、原因を探求してみると、プレイスタイルの相違点が意見の対立を引き起こしていることが多くあります。

人狼において白要素・黒要素の取り方は人によって大きく異なります。そのため、「自分と同じような思考でないのはおかしい!」という捉え方をするのは非常に危険です。また、悲しいことにロジカル重視型の人間とパッション重視型の人間は相いれないような傾向にあると、自らの経験から感じています。感想戦の際にお互いの思考がおかしかったと負けた原因探しをしているのをみると、非常に悲しく感じてしまいました。

重要なのは、ロジカルでもパッションでもなく、人の気持ちに寄り添う力なのではないでしょうか。自分の思考をよしとするのではなく、なぜ相手がその結論に至ったのかを考えることが非常に重要だと考えています

当記事が、皆様の人狼ライフをより良くするものとなれば幸いです。


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