【2021年】ドイツ年間ゲーム大賞のゲームを遊んでみました

更新日 2021年12月15日

 

初めまして!ライターのルークです。今年も6月7月にドイツ年間ゲーム大賞が発表されましたね。それからしばらくし、私自身が受賞した3作品を実際に遊ぶことができたので、その感想を交えて紹介したいと思います。

ドイツ年間ゲーム大賞とは

 

この記事を書くにあたり、そもそも「ドイツ年間ゲーム大賞」とはどういったものなのかがとても気になったので調べてみました。それを最初にシェアしたいと思います。

ドイツ年間ゲーム大賞とは「Spiel des Jahres」の日本での呼び名であり、毎年ドイツで選定されるボードゲームの権威ある賞です。1979年に始まり、中立な立場の専門家らで構成された委員会で決められます。委員らはたっぷり時間をかけて、その年の3月頃までに発表された膨大な作品で実際に遊びます。

今年はコロナ禍のためデジタル技術を存分に活用し、そんな中でも例年通り約300タイトルをプレイし評価したそうです。これには驚くとともに称賛したい気持ちになりました。

5月頃にノミネート作品が公表され、キッズ部門は6月に、大賞とエキスパート部門は7月に発表されるのが慣例になっています。エキスパート部門とは、2011年から始まった、大賞よりもコアゲーマー向けの基準で選ばれる賞です。

過去の大賞受賞作品にはカタン、カルカソンヌ、ドミニオンなどもあり、受賞が大きな影響力をもっていることがうかがえます。

 

さて、ここから受賞作のレビューに移っていきます。

今年のドイツ年間ゲーム大賞は「ミクロマクロ:クライムシティ」、キッズ部門は「ドラゴミノ」、エキスパート部門は「パレオ」です。

 


「ドラゴミノ」のレビュー

(テンデイズゲームズ公式HPより)

まずはキッズ部門の「ドラゴミノ」から紹介します。

キッズ部門は子ども向けのゲームを対象にしているということで、確かに「ドラゴミノ」も簡単なルールでした。日本語版を販売しているテンデイズゲームズが設定している対象年齢は5歳からです。

「ドラゴミノ」は2017年にドイツ年間ゲーム大賞を受賞した「キングドミノ」と同じ作者の作品であり、この2作はルールにも共通点があります。

「ドラゴミノ」は2つの地形が描かれたタイルをドラフトし、すでに獲得しているタイルに隣接するように配置していきます。このとき同じ地形どうしをくっつけることができると、その地形に対応するドラゴンの卵チップをゲットし、めくることができます。ドラゴンの卵チップには、めくると子ドラゴンが入っているものと、空っぽのものがあります。また、地形によって子ドラゴンが入っている確率が高い所と低い所があります。このゲームは子ドラゴンを多く集めた人が勝つゲームなので、いかに多くの卵を獲得するか、いかに確率の高い地形から獲得するかといったことを考えてタイルの選択、配置をすることになります。

なにをすればいいかが分かりやすく、卵をめくった結果に一喜一憂できる点が子どもとも一緒に楽しみやすい点だと思います。

また、コンポーネントは色彩がとても鮮やかで、特に卵のイラストがファンタジーで美しく魅力的です。それが卵を集める楽しさを一層高めていると思います。

私自身は大人2人で遊びましたが、卵を取れることに、子ドラゴンが入っていることに喜びを感じつつ、タイル配置に頭をつかうことを楽しみました。ただルール上それほど多くのタイルを配置する前に終了条件がきてしまうので、運の要素がつよめで、私はもっとたくさんタイルを置きたい!と思いました

キッズ部門の大賞なので、戦略をじっくりを楽しみたい人より、ライトにワイワイ遊べて、ちょっとは頭をつかうようなゲームを求めている人にぴったりの作品です!


「ミクロマクロ:クライムシティ」のレビュー

続いては大賞の「ミクロマクロ:クライムシティ」です!

このゲームはホビージャパンの目安では1~4人とされている協力ゲームです。どうして目安という言葉になるかというと、その遊び方により、厳密に何人までという制限がないゲームだからです。

ですが、私がやってみたかんじ、普通に遊ぶなら同時に遊ぶのは1人か2人が良さそうだと思いました。3人や4人でも同時にできないことはないのですが、同じ紙をみんなで覗き込むことになるので、少し窮屈な感じがします。

3人以上のときに遊ぶならば「事件」の展開を知っている誰かがゲームマスターのようなポジションになるのがよいかもしれません。

さて、具体的に何をするゲームなのかというと、強盗や殺人といった事件が多発している街『クライムシティ』が描かれた75×110㎝というすごく大きい紙を覗き込み、カードで示された事件の手がかりをもとに、推理と捜索をするゲームです。プレイヤーは捜査官となり、犯人を見つけたり、事件の顛末を明らかにしたりするわけです。

例えば、事件の被害者が被害を受ける前に何をしていたのかを探したりするのですが、この地図の面白いところは過去の色んな場面が1枚の紙にまとまっているところです。街は広く、人があふれているので一筋縄ではいきません。街がどのように描かれているかは、箱を見るとわかります。

ひとつの目標をクリアする度に「ここだぁ!」という達成感を得られ、事件を一通り解決すると、なんとかやりきったぜ…と思えるような難易度のものがいくつもあります。

私自身4つほどの事件を最後まで遊びましたが、どれも良くできているなぁと感じました。いくつもの時系列をひとつの地図に重ね合わせるという独特な技術を、これだけ高いクオリティで体現させたことが大賞受賞の理由なのではないかと思いました。


「パレオ」のレビュー

最後は、ドイツ年間ゲーム大賞エキスパート部門賞の「パレオ」です!

「パレオ」もまた2~4人を対象とした旧石器時代が舞台の協力ゲームです。が、「ミクロマクロ:クライムシティ」とはコンポーネントの量がちがいます。もちろんプレイ感も世界観も大きくちがいます。

「ミクロマクロ:クライムシティ」は大きな大きな1枚の紙と、必要最低限の手がかりカードで構成されていたのに対し「パレオ」は起こる事件(こちらは殺人などではなくマンモスとの遭遇です笑)の数々が全てカードになっているので、とてもたくさんカードがあります。それだけでなく、一部は組み立てて立体的にする、立派なボードもあります。

「パレオ」ではプレイヤーは同じ部族の構成員となり、どこに探索に行くか、行った先で遭遇した出来事にどんな選択をし対処するかといったことを相談します。

そして、構成員が命の危機に陥った際に受け取らなければならないドクロチップが規定数たまってしまう前に「壁画」を完成させればゲームクリアとなります。

難易度や出来事を決めるカードの組み合わせ(モジュール)は10種類あります。

私はそのうちレベル1(最も簡単)とレベル2に挑戦しましたが、レベル2の初見プレイはジリ貧となりゲームオーバーでした。レベル1はクリアしたのですが、実はそのときルールを一部間違えていたので、それを思うとレベル1ですら簡単とはいえないと思います。これはレベル10をクリアするまでに、かなり繰り返し遊べるなと感じました。

このゲームの魅力は、遭遇するイベントの種類や、それにかかわる要素が豊富で、それによって旧石器時代の狩猟民族の雰囲気をよくよく感じられることだと思います。しかも私はまだカードの20%しか見てないのですから、繰り返し遊べばもっと楽しめることでしょう。

エキスパート部門受賞も納得の面白さです。それでいて、1度遊べば完全に理解できるほどのシステムの複雑さなので、遊ぶハードルも高くはないと思います。

おわりに

ドイツ年間ゲーム大賞受賞作品を遊んでみて、そのレビューもしてみて感じたのは「やるじゃん!ドイツ年間ゲーム大賞」ということです笑

どの作品も受賞に納得のクオリティで、過去の受賞作も、遊んだことのあるものは、ほとんどもれなく面白いと感じました。

なので、この選考は遊ぶゲームの参考になると思います。私自身、まだ遊んだことのない過去の受賞作品をこれから積極的に遊んでみたいです!

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