【人狼虎の巻】人狼初心者のための基本的な発言・考察のコツを徹底解説!!

更新日 2022年6月8日

はじめに-「寡黙吊り」はなぜ起こるの?-

 

まだ人狼ゲームを始めたばかりの時、何を発言したらいいのかわからず、そのまま処刑されてしまったことは、誰しもある経験ではないでしょうか。このようにあまり発言しない人を処刑する流れ、いわゆる『寡黙吊り』は、どのタイプの人狼ゲームでもよく見られる流れです。

 

 

 

「多弁な狼もいるのに喋らないだけで疑われるのはなぜ?」と思われるかもしれないのですが、実は大きな理由があります。それは、人狼ゲームが、議論すればするほど村人陣営が有利になるゲームだからです。

実際のゲーム中、人狼陣営には非常に大きな心理的な負担がかかります。これは人狼陣営という立場でありながら、村人陣営であるかのように立ち回らなければならないからです。この行為を自然に行おうと試みると、人狼陣営は、人狼陣営としての思考と村人陣営としての思考の両方が要されるため、非常に脳に疲労がたまります。その結果、ふとした発言に違和感が生じ、自らが人狼陣営であると村人陣営に勘づかれる契機となります。狼陣営からすれば、「嘘をつかず隠したい!」というのが本音でしょう。

そのため、人狼ゲームにおいて「発言」という要素は非常に重要です。特に、ゲームに勝利できるかどうかは、役職を持っていない村人の活躍が大きなカギを握るため、役職を持ってないからと言って消極的になってはなりません。今回は、議論内容として役立つ、注目してほしい個人の発言要素に触れ、市民か狼かを判断する要素を掴んでいただきたいと思います。



 


定義と前提

本文では、9人村11人村の基本役職を想定し、ゲームの流れもこれに従って行われることを前提とします。役職は人狼ゲームによって異なりますが、本文では太文字の名称で今後進めていきます。

村人=市民,    占い師=予言者

霊能者=霊媒師=霊能力者,    狩人=ボディーガード

人狼,   狂人=多重人格者=裏切者




議論に役立つ発言精査の5箇条

大前提として、このゲームで最も深く広く思考する必要があるのは、人狼陣営に属するプレイヤーであることをあげます。人狼陣営は、噛み先・黒塗り先・役職騙りの論理構成など、考えることが数多くあります。本当のことだけを言えば辻褄が合う村人陣営に対して、人狼陣営は自分の頭の中で嘘の論理を構成しなければなりません。

ある嘘についての研究では、人間は真実を隠蔽するのは上手ですが、真実を作りかえ嘘をつくのは比較的苦手な生き物であるとされています。そのため、その嘘の綻びを発言から紐解いていくことが重要です。以下の5箇条は、村人陣営であれば容易に導くことができ、人狼陣営であれば少し回答に戸惑ったり答えが出なかったりする要素となります。『何を発言すればよいかわからない』、『どのように人を疑えばいいかわからない』という方は参考にしていただければと思います。


①視点が漏れてない?情報量は適切?

人狼陣営が村人陣営の視点で考える際には、視点が漏れてしまうことがあります。これは、人狼陣営が情報量を多く有することに起因しています。人狼陣営であれば仲間の位置や真の役職が容易に把握できます。そのため、村人目線で話すはずが、本来知ってはならないような要素を発言してしまうことがあります。例えば、役職の真偽が確定していないのにその役職を真であるかのようにいったり、残りの人狼陣営の数が確定していていないのに「残りの人狼は2匹だよね」のように明確に発言することがあげられます。

客観的に見ると対策はできそうですが、情報量が過大に与えられている状況ではどうしても視点漏れが生じます。そのため、この点について精査することは非常に有効であると考えられます。



②発言内容や論理は一貫してる?

村人陣営と人狼陣営の勝利条件は、当然のことながら異なります。村人陣営は人狼を吊って勝利することを目的としますが、人狼陣営はできる限り仲間の人狼を吊らずに村を進行させることが目的となります。そのため、人狼陣営は発言内容と論理の一貫性が損なわれます。例えば、最初の昼に怪しいと発言していたはずが次の昼には急に矛先が変わったり、ある人を怪しいと発言したのに明確な理由がないことがあります。

 

 

 

人狼陣営は村人を処刑するよう誘導しなければ、ゲームに勝利することができません。そこから論理に綻びが生じます。そのため、注意深く発言内容を覚えておくことは難しいですが、発言内容や論理のブレが村人特有のものか、人狼陣営特有のものなのかを精査することが重要だと考えられます。

 

③時間の経過とともに発言は伸びてる?

人狼陣営は、先に述べたように役職のない村人よりも情報量を多く有しています。そのため、人狼陣営は村人に比べて、最初の時点ではある意味考察がしやすいともいえます。しかし、村人は情報が増えるにしたがって、段々と発言の材料が揃ってきます。そのため、村人は初日の昼から最終日にかけて徐々に考察の質が高まって来る傾向にあります。一方、人狼陣営は情報が初めから与えられているため、発言が伸びないことが多くあります。

人狼ゲームをしていると、初日に発言の伸びがよかったプレイヤーが、段々と発言のキレがなくなるという状況に直面すると思います。その際に、その人は『はじめから一定の情報が与えられていることから、発言することがなくなってしまった人狼陣営ではないか』と疑うことが、重要な発言精査のうちの一つだと考えられます。

 

④プレイヤー間で連携や同調行動がない?

ここでは人狼陣営の中の人狼について考えます。人狼は、単体で行動するわけではなく、群れで行動します。そのため、プレイヤー間で照らし合わせたような投票先になったり、かばい合うような行動(ライン形成)が見られるようになったりします。もちろん、あえてお互いをお互いを疑うという行為(ライン切り、身内切り)もありますが、無意識のうちに自分の仲間と同じような発言をしてしまうということはよくあります。

 

このように、プレイヤー間の発言の同調性や投票先等、繋がりをみていくことが議論の材料になるかと思います。この点からもわかるように、発言の少ないプレイヤーにはあえて発言をするように促し、自分が村人だと思う位置人狼だと思う位置を挙げてもらうを述べてもらうというのも、議論を進めていくのに役立つかもしれません。

⑤発言が保守的になってない?

人狼陣営は、常に自分が見られていると意識します。そのため、人狼陣営に属するプレイヤーは「誰かを疑うような発言をすると逆に疑われてしまうのではないか」という気持ちを抱くようになります。このことから、人狼陣営は村人に比べて寡黙になったり、必要以上に他人を村人と信じ込むような発言(すり寄り)を度々行うようになります。自分を信じてくれるプレイヤーがいた場合、その人を反対に信用したくなるのは心理学的に証明されています。

しかし、自分を信じてくれているのは、その人の本音なのかそれとも人狼陣営のすり寄りなのか、立ち止まって考える必要があるかもしれません。保守的な発言をされてしまうと、基本的に人狼なのか村人なのか区別するのが非常に難しくなります。そのため、あえて自分から相手を疑うという行為が重要になってくるかもしれません。自分から相手を疑い、反応を見ることで保守的な人狼陣営に積極的な発言を促すことができると考えられます




 村人らしい発言・行動はどうすればよいのか?

上記では、議論精査に役立つ五箇条を述べました。これは、あなたが他のプレイヤーを観察すべき観点あるとともに、あなたが疑われる理由になりうる観点でもあります。ここでは、あなたが「村人又は人狼」であると仮定した場合に、どのような発言・行動をすべきか説明します。

①視点漏れをせず、盤面を把握する。

占い師や霊媒師が複数出てきた場合には、混乱することもあるかもしれません。しかし、上記でも述べたように、役職者や占い先などを忘れている場合には、人狼ではないかと疑われる可能性があります。あなたが、村人である場合には、必ず把握漏れをしないこと。もし、人狼である場合にも、可能な限り盤面を把握するようにしてください。盤面について把握していることをアピールする行動も良いですが、発言稼ぎだと思われないように注意してください。

 

②論理と行動を一貫させる。

論理と行動が一貫しないのが、人狼らしい行動です。これを裏返すと、常に自分の思考を行動に落とし込み、行動を思考に落とし込むことがが重要ということになります。例えば、誰かを怪しむ際になぜ怪しんだのかを言語化することが重要です。反対に、行動する際には自分が怪しんだことをもとにして、それに準じた行動をすることが重要となります。論理と行動を一貫させることは非常に重要ですが、最も難しい点の一つです。

特に人狼では、村人と見えている視点が異なるので、それも意識して行動することが重要となります。

 
③時間の経過とともに発言を伸ばす。
村人であれば、時間の経過とともに情報が増えてきます。そのため、得られる情報をもとに推理や考察を行うことが重要となります。ただし、村人だからといって慢心は禁物です。意識をしなければ、発言の伸びは悪くなります。意識すべき点としては、序盤から発言をすることです。発言自体をしなければ、発言をしない人間とみなされて処刑対象となります。また、後半に比較される発言は、序盤の発言です。そのため、発言を行わなければ、比較する対象自体無くなってしまいます。

人狼であれば、最初から答えが見えた状態で始まることとなります。そのため、発言には十分配慮し、序盤は抑えつつ他の村人と比べて発言量を調整し、次第に伸ばしていくということが重要になります。

 

④他のプレイヤーに対して、自分の意見を明瞭に表明する。

他のプレイヤーに理由なく同調する行為や、理由なく投票を合わせる行為を行なった場合、狼同士の連携とみられる場合があります。そのため、誰かに同調する場合には、正当な理由を用意する必要があります。例えば、あるプレイヤーが疑わしいと感じ、それが他のプレイヤーと同じだったとします。その際には、なぜそのプレイヤーが疑わしいのかをあなたの観点から述べてください。同じ理由でそのプレイヤーを疑っていたとしても、それをあなたの言葉で言い換えることが重要です。そうでなければ、あなたが同調したのは、擦り寄り行為だと思われてしまう可能性があります。

人狼である場合での動きは少し難しいですが、連携するときは疑われないように、あるいは、連携を完全に遮断する行為(身内切り)も必要となると考えれます。人狼での行動は複雑なため、また別記事で解説します。

 

⑤保守的な発言を避け、積極的に発言を行う。

人狼ゲームの本質でもある発言ですが、慣れていない場合には発言が少なくなってしまいます。村人であれば、発言が少ない場合にも、自分が村人である要素を、他者に感じとってもらえるのではないかと考えることもあるかもしれません。しかし、結局のところ、発言をしなければ自分の考えが他者に届くことはありません。そのため、保守的な発言をせず、積極的に発言することが重要です。

人狼であれば、特に発言することで疑われる可能性があり、保守的になりがちです。しかし、自分から積極的に発言し、全体に対して情報を落としていくことが非常に重要です。



 

おわりに₋『発言』と『考察』を楽しもう!₋

筆者は、人狼ゲームの内容としての魅力は大きく二つあると考えています。一つは、信頼を得られるように『発言』すること。もう一つは、他プレイヤーの発言を聞いて『考察』することです。この二つは、言葉だけでゲームが成立する人狼ならではの楽しさです。

 

私自身は、人狼ゲームの本質は疑うことではなく、人の心に寄り添うことではないかと考えています。人狼ゲーム内の『発言』『考察』の過程は、『自分だったら何を考えるか』『相手の立場ならどうするか』、ということについて考える行為です。確かに、ゲーム内では互いに疑い合うことでギスギスすることもあるかもしれません。しかし、ゲームが終わればゲームが始まる以前よりも、互いについての理解が深まるのではないでしょうか。

今回の記事が、皆様の人狼ライフをより豊かにするものとなれば幸いです!!

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