狩野モデル~ゲーム開発に役立つ経営学~【MBA第14講】

久しぶりにボードゲームに活かせる経営学の話をしてみようと思います。今回紹介するのは『狩野モデル』という製品の品質設計に関する理論です。オリジナルのゲーム製作をされる方も、この理論を学ぶことでより満足度の高いものにできるでしょう!



狩野モデルとは

狩野モデルとは、東京理科大学名誉教授・狩野紀昭氏によって提唱された、顧客満足度と品質の関係のモデルです。

利用者の満足度を左右する品質の要素を5分類し、それらの品質がどれに分類されるか?によって優先順位をつけることができます。

具体的な例としては「今製作を考えているゲームの設計に機能Aと機能Bどちらを実装しようか迷っている」というような時に優先順位をつけて決める事に役立ちます。

狩野モデルにおける5つの分類

狩野モデルにおいて、製品の品質は
・当たり前品質
・一元的品質
・魅力的品質
・無関心品質
・逆品質
の5つに分類されます。

そして上記の上のものほど優先順位が高く、下のものほど優先順位を低く設計することで、利用者の満足度の高い製品となる、という理論です。

これらの5つの分類について、ボードゲームの例を交えて解説してみます。

当たり前品質

満たされていないほど不満があるが、満たされていても当たり前としか思われない品質です。

〈ボードゲームの例〉
ルールブックの分かりやすさ・丁寧さ等はこれに当てはまります。
ルールブックが分かりにくいほどゲームの面白さを阻害してしまいます。しかし、分かりやすかったからといって面白くなるというわけではありませんよね

一元的品質

満たされていないほど不満があり、満たされるほど満足される品質です。

〈ボードゲームの例〉
例えば使い切りのコンポーネントの数等が当てはまります。プレイ出来る回数に関わってくるので、多ければ多い程良いに越したことはありませんよね。

魅力的品質

満たされていなくても不満はないが、満たされるほど満足される品質

〈ボードゲームの例〉
例えばコンポーネントのカードにゲームのプレイイング上は全く関係ない、言葉が書いてあることもありますよね。これによって世界観に深みを出したり、ユニークさを提供していることで魅力はアップされています。しかし、なくても顧客は困らず、不満に思うことはありません。



無関心品質

満たされていなくても満足度に影響がない品質です。

〈ボードゲームの例〉
例えばコンポーネントが綺麗に収納できる仕方を何十通りも考案して設計しているとします。しかし、プレイヤー側からすれば1通りあれば十分で1万通りの綺麗な収納方法があっても満足度としては変わりません。

逆品質

満たされていればいるほど、不満に思う品質です。このような品質の機能は出来るだけ実装しない方が良いでしょう。

〈ボードゲームの例〉
例えば、コマの先端を鋭利にしていく場合、鋭利になるほど怪我の危険性も高くなり、不満を発生させてしまいます。

・デザインする際の優先順位の考え方の例

狩野モデルにおいては優先順位をつけられます。先程の例で具体的に考えてみましょう!

〈ボードゲームの例①〉

ゲームの世界観やユニークさを出すために、ルールとは全く関係のない言葉をルールブックにも書き込みたい!でも、書き込んだせいでルールが結構分かりづらくなるかも…

ルールの分かりやすさ(当たり前品質)とルールと関係ない言葉(魅力的品質)の比較となります。狩野モデルにおいては、当たり前品質〉魅力的品質で優先するべきなので、このような場合はルールの分かりやすさを優先しましょう!ルールの分かりやすさを阻害しない範囲での実装に留めるべきです。

〈ボードゲームの例②〉

使い切りのコンポーネントがある。厚紙なら50枚実装出来るが、普通紙なら100枚で実装出来る。

使い切りのコンポーネント数(一元的品質)と紙の質(無関心品質)の比較となります。狩野モデルにおいては、一元的品質〉無関心品質で優先するべきなので、このような場合はコンポーネント数を優先しましょう!


以上、いかがでしたでしょうか。ゲームの開発も製作者の想いが入ってしまい、プレイヤーの満足度を無視したものにもなってしまいがちです。とは言え、自分の想いを具体化することも素晴らしいことでは思います。

この機能どうしようかな?と迷った時や、複数人でゲーム開発をしていて意見が割れた時などの参考程度にしていただければと思います。

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