カタンの戦略論とSWOT分析~MBA第12講~

更新日 2018年12月2日

先日、カタンの開拓者について初心者向けのすぐに実践できるテクニックを特集しました。そちらの記事では初期配置や、交渉、ポイントの稼ぎ方について基本的な内容をピックアップさせて頂きました。

しかし、初期配置が終わって『さて、何から始めよう?』と悩んだり『この配置は良くなかったかな』と後悔する事はありませんか?

今回の講義ではそんな時におすすめな経営分析手法、SWOT分析をお伝えします。一見初期配置が悪そうでも、冷静に考えれば活路が開けるかもしれません。

SWOT分析

SWOT分析は経営学の基本的な戦略ツールです。SWOTとはStrength(強み)Weakness(弱み)Occation(機会)Threat(脅威)の4つの考えるべき項目を表しています。Strength(強み)Weakness(弱み)は、そのまま事業の強みと弱みです。Occation(機会)Threat(脅威)は、それぞれ事業が有利・不利になりそうな状況やライバルの状況です。

カタンの開拓者において初期配置後にSWOT分析をしてみると、例えば次のような結果を得る事が出来ます。

そしてこの分析に基づいて戦略をたてます。ポイントとしては強みと機会を活かし、弱みや脅威は克服もしくは避ける事を考える事です。例えば私なら次の様な戦略を取ります。

長期戦略『開拓地と最長交易路をメインに10点取りに行く』

藁が希少であるため、都市化や発展で稼ぐことが難しいゲーム展開が予測されます。また鉄鉱石の供給源も最初から持っていないので、都市化や発展を敢えて狙うのは不利です。一方、最初から道を1本作れるというアドバンテージもあるので、長期的には「弱み・脅威を避け、強みを活かす」戦略を取ります。

短期戦略『一刻も早く隣のパネルを開拓する』

自分の8パネルが盗賊に狙われやすいのでそのパネルに頼るのは非常に危険です。すぐに道を作れ、開拓出来そうな場所があるので、資源の供給源を増やして対策をします。

もちろん、こういった戦略ツールを使わずして成功している経営者もいます。同様にカタンでも、経験者であれば直感的にそんな事は分かる人も多いでしょう。しかし、戦略ツールを使って考えることで、ある程度漏れなく考えることができます。ゆえに熟練した経験者でなくとも、以上の様な合理的な判断を下すことができる様になります

しかし一方、『SWOTはツールとしては知っているけれど使いどきがわからない』という声もよく聞きます。実際にいつでもこれに基づいて考えれば良いという訳でもありません。
例えば初期配置をする時点でもこの分析を使うべきか?といえば、私はそうでもないと考えます。なぜならその時点では強みや弱みもなく、ライバルの情報も分からないからです。カタンで使うべきタイミングは、初期配置後や誰かが開拓地が建てて盤上が大きく変化した時です。

同様のことは経営でも言うことが出来ます。新規事業を作る際に真っ白な状況からSWOT分析を行うべきではありません。まずは事業領域を考え、業界を絞った上で、流行・競合・社会情勢・法律などと見比べて考えていくのが有効な手段だと私は考えます。またM&Aや新規参入で業界構造が大きく変化した時にも有効でしょう。

SWOT分析は、内部環境と外部環境の2つの側面から分析する手法です。この2側面から考える事で、勘に頼らない合理的な判断を下せるようになります。この経営理論を是非ボードゲームで活用してみてください。

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