更新日 2018年5月3日
Board Game to Lifeにお越しいただきありがとうございます。
Master of Board game Administration第二講はじまりました。
担当させていただくのは、いとはきです。
今回の記事では、ドミニオンの戦略を経営面から考えてみます。
ドイツゲーム大賞、ドイツ年間ゲーム大賞、アラカルト・カードゲーム賞の3つの部門でグランプリを受賞し、ボードゲーム史上初となる3冠を獲得したゲームです。

各プレイヤーは手持ちのカードをうまく組み合わせて領土を獲得していき、
ゲーム終了時により多くの勝利点をもっているプレイヤーが勝者となります。
>>ルール説明の記事はこちら
ドミニオンは自分のカードを入替しながら最終的に持っている勝利点カード合計点を競っていくゲームです。
そのドミニオンには、「礼拝堂」というカードがあります。

『手札から4枚まで廃棄できる』
廃棄することは一見デメリットの様に感じられます。
しかし、廃棄によって自分の要らないカードをデッキから除外することで、必要な時に必要なカードだけを引きやすくするデッキを組むことができるようになります。
ドミニオンでは持っているカードの内、自分のターンで使える手札は5枚のみです。
ゆえに無駄なカードが多いと、その分だけ手札が機能しなくなるのです。
例えば1ptのカードを6枚持っているのと、6ptのカードを1枚持っているのでは勝利点としては同じです。しかし勝利点カードは手札に来ても使えないカードなので、他の有用なカードを引く可能性を考えると、5枚分無駄なカードを持っていることになります。
さて、現実の経営の世界でも在庫管理を徹底し、無駄なものを省くことでコストを下げることが課題となります。
例えば、企業に不要な在庫があるとそれを補完するための倉庫や管理するための人員が必要となります。しかし、その無駄な在庫がなければ、その倉庫で他の売れる商品を補完することも出来るし、管理するための人員を他の仕事に充てることが出来ます。
つまり無駄な在庫のせいで使えるはずの資源も無駄になってしまうのです。これは先ほどの話で言えば、無駄なカードのせいで使えるはずの手札5枚が、一部しか機能しないという状況と同じです。
日本を代表する大企業であるトヨタは、在庫管理の徹底によってコストを下げることで成功しています。この生産方式はトヨタ生産方式と呼ばれ、無駄を徹底的に排除し、合理的に在庫管理を行うことができるようにシステム化されています。その中で特に重要な技術革新が「かんばん方式」と言われます。これは生産効率向上のためのイノベーションにおいて最大級のものです。
ボードゲームでも経営でも、資源の管理がとても重要となるという点では同じです。
無駄の排除を行って、効率性を追求してみてはいかがしょうか?
Master of Board game Administration第二講いかがでしたでしょうか。
今回執筆にあたって用いた参考書は、以下の2つとなります。
いずれも、管理会計の参考書です。スタンダードテキスト管理会計論は、公認会計士試験にも使われる名著ですが、内容が少し難しいです。もし管理会計を初学から勉強したいのであれば、右の本をおすすめ致します。
長々とお読みいただいてありがとうございます。次講もお会いできることを楽しみにしています。担当は、いとはきでした。
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