更新日 2022年6月8日
はじめに
筆者は、ボードゲームを購入する際、どのようなジャンルのゲームを購入するか迷うことがあります。これは、同じボードゲームという括りであっても、戦略性が高く頭を使うゲームから、みんなでワイワイ盛り上がれるゲームまで、それぞれ違う楽しみ方があるためです。私はこのように悩んだ時には、持っているゲームのジャンルとは、できるだけ異なるジャンルを購入するようにしています。
もちろん、自分の好きなジャンルのゲームを購入していくのも楽しみ方の一つだと思います。しかし、お気に入りのジャンルとは異なるゲームを体感していくのも、まだ見ぬボードゲームを知るきっかけになるのではないでしょうか。
そこで、今回は筆者が自信をもってオススメできるボードゲームを、ジャンルごとに分けて紹介していきたいと思います。当記事が、皆さんが今まで触れたことがないボードゲームを、新しく発見できるきっかけになればと思います。
1.協力ゲーム
①パンデミック -キズナが深まる!協力型ボードゲームの傑作-
『パンデミック』とは、プレイヤー同士で協力し合い、各地に散らばって治療薬を作ることで、人々が感染しているウイルスを根絶させることを目的とするゲームです。
ボードゲームといえば、プレイヤー同士が争うゲームが多い印象を受けます。しかし、『パンデミック』では、各プレイヤーは一つのチームとなり、ウイルスという共通の敵に対峙して戦うこととなります。
このゲームの魅力はチーム内での連携です。このゲームの難易度は少し高く設定されており、初見での成功は困難です。だからこそ、プレイヤー間のコミュニケーションがとても重要となってきます。それぞれのプレイヤーには、特殊能力を持った役職が与えられます。各プレイヤーは、お互いに自分の能力を活かし、治療薬の開発やウイルスの除去を行っていきます。対戦相手はプレイヤーでないため、ギスギスすることなく、全員でゴールを目指すような感覚が味わえます。
協力型ゲームは、初心者と経験者とが一緒になってゲームを楽しむには最適です。ボードゲームに馴れていない方であっても、経験者がリードすることで協力して楽しむことができます。ただし、ひとりが一方的にゲームの進行を決めてしまうとゲームが楽しくなくなってしまうので、あくまで全員で楽しめるようにしましょう。
2. 交渉ゲーム
②カタンの開拓者たち -絶対に外せない交渉・対戦ゲームの王道-
『カタンの開拓者たち』はカタン島とよばれる島にやってきたプレイヤーが、街や都市を建設して発展させることで勝利点を稼いでいくというゲームです。ボードゲームの代名詞ともいわれるほど人気が高く、ボードゲームを楽しみたいのであれば、まず買って損はないゲームとなっています。このゲームは、ルールが覚えやすい一方で、勝つための戦略が無数にあるという点で優れています。
これに加えて、このゲームの大きな特徴は交渉システムです。ゲーム中に、プレイヤーは一定のルールの下で交渉を行うことができます。交渉を行うのは街や都市を作る材料となる資源です。
「麦一つと鉄一つ交換できる?」「レンガ二つと木一つはどう?」
といったように、プレイヤー間で直接資源の受け渡しの交渉が行われます。この交渉が、カタンの醍醐味です。相手が何の資源を欲しているのか、自分の欲しい資源を獲得するにはどのように接したらいいか、といった戦略と心理の要素が最大限に詰め込まれています。ボードゲームのジャンルに困ったら、まずはこのゲームを買うことをオススメします。
【カタンのルール説明はこちら】
3. アクションゲーム
③キャプテン・リノ ₋必ず盛り上がる!タワー建築系ボドゲ₋
『キャプテン・リノ』は、カードを引いて指定されたものをジェンガの要領で積み上げていくタワー建設系ゲームです。ボードゲームでありながら、同じ場所に座って手を動かすというよりは、席を離れて動き回る必要があるという点で、他のゲームとは異なります。
積み上げるという点ではジェンガと似ている点がありますが大きく異なる点が二つあります。一つは、UNOのようにカードにスキップやリバースのような効果がついており、ランダム要素があること。もう一つは、このボードゲームにもなっているキャプテン・リノの存在です。
一つ目のランダム要素は、ゲームの流れにいいスパイスをもたらします。積むドキドキに加えて、カードを引く際にもドキドキするようになります。
もう一つの、「キャプテン・リノ」の存在はこのゲームの目玉です。このキャラクターのロゴが描かれたカードを引いたプレイヤーは、そのキャラクターのコマを新たに積むカードの上に乗せなければなりません。比較的重さは軽いものの、周りのカードに手が触れるとタワーが崩れることもあるため、プレイヤーには慎重さが強く求められることとなります。やってみると、このキャプテンリノの移動がゲームの中で一番盛り上がります!
以上のように、このゲームは他のボードゲームとは明らかに異なるゲーム性となっています。勝ち負けにこだわるというよりは、パーティーゲームに近く、ハラハラドキドキを楽しむことが中心のゲームです。初心者との初めてのボードゲームにすれば導入としては完璧ですし、頭を使うゲームの合間に楽しむのも一興かもしれません。
4. パズルゲーム
④ウボンゴ ₋思わず叫びたくなる!? 鉄板のパズルゲーム₋
『ウボンゴ』は、指定されたタイルを複数のピースを組み合わせてぴったり埋めるボードゲームです。論理的に頭を使うというよりは、瞬発力や頭の回転が求められます。配られるタイルはそれぞれ異なるパズルが描かれており、そのタイルの中でランダムな組み合わせが与えられるので、何度も繰り返し遊ぶことが可能です。また、このゲームでは、パズルが完成した時に「ウボンゴ!」と叫びます。この「ウボンゴ!」の言葉がゲームを非常に盛り上げます。
パズルを完成させた人は、完成させた順に宝石を獲得することができます。この宝石が得点となり、最後はこの得点の数で勝敗が決定されます。宝石は黒い袋の中からランダムで1つ獲得できるため、どの宝石を獲得できるかわくわくした気分を味わうことができます!
このゲームは頭の回転が重要になることから、経験によってあまり差がつくことはありません。そのため、あまりボードゲームをしていない初心者の方や子どもと本気で戦うことができます。脳トレにも役立つゲームではないかと、筆者自身は考えています。
5. ブラフゲーム
⑤ガイスター ₋真剣勝負がアツい!1vs1の2人専用ボードゲーム₋
『ガイスター』は、青と赤の二種類の幽霊コマを使い、相手の幽霊コマをチェスの要領で奪い合うシンプルですが、ブラフや戦略的要素の強い2人専用ゲームです。
ボードゲームの中でも非常にシンプルな作品ですが、ボードゲームの魅力がこの小さい盤面に詰められています。このゲームの勝利条件は、シンプルに3つあげられます。①相手の青いオバケをすべて取ること②自分の赤いオバケをすべて取らせること③自分の青いオバケで脱出すること
この3つのどれかを満たした時点で勝利となり、1ゲームは10分から20分ほどで終わります。
将棋のように詰める戦略的思考もありますが、プレイヤーごとに配置や動かし方の癖がでてくることから心理的思考も試されます。また、赤か青の二択なので思い切る運も重要になってきます。このように、運と戦略と心理の要素が合わさっており、初心者の方でも上級者の方でも非常に楽しめるゲームとなっています。
二人用ゲームはボードゲームの中でも少ないですが、まずはこのゲームが安定だと思います。
【ガイスターのルール説明はこちら】
【二人専用ボードゲーム特集はこちら】
6. 競り系
⑥モダンアート - 頭をフルに使う、競りゲーの名作-
『モダンアート』は、絵画の売り手と買い手となるプレイヤーが、オークション形式で絵画の売買を行うゲームです。少しルールは難しいようにみえますが、実際にやってみると案外簡単に覚えることができます。
このゲームを数回遊んでみた感想として、初心者の方でも楽しめますが、比較的ゲームに慣れた中級者の方がよりこのゲームを楽しめると感じました。
このゲームで最も面白い部分は、プレイヤーにどのように稼ぐのが最も効率がよいかを考えさせられることです。このゲームでお金を稼ぐ手段は大きく二つあり、売り手から絵画を購入して銀行に売却することと、買い手に絵画を売却することです。ゲームをはじめた当初は、前者の方に注目しがちです。自分を含め、プレイヤーからの買値と、銀行への売値の差額で利益を稼ごうとしていました。しかし、ゲームを繰り返していくと、プレイヤーからプレイヤーへの絵画の売買がゲームに大きく関わることに気づきました。ゲームを遊ぶたびに気づくことが多く、何度遊んでも飽きないゲームとなっています。
文を読んだだけではゲーム性が把握できないかもしれませんが、非常に考えることの多い良ボードゲームです。テーマやゲームの見た目から手を伸ばさない方がほとんどですが、ボードゲーム中級者の方で自分の頭を使って思考するゲームが好きという方には自信をもってオススメできるゲームです。
【モダンアートのレビューはこちら】
7. 直感系
⑦テレストレーション ‐勝ち負けは二の次、爆笑必死の伝言ゲーム₋
『テレストレーション』は、絵をみてお題を推測し、次の絵へとつなげていく伝言ゲームです。口でお題を伝える伝言ゲームでも難しいですが、このゲームではお題を絵で伝えていくため難易度ははるかに高まります。
このゲームを購入する際に注意すべきなのは、具体的な勝ち負けがあるようなゲームではないことです。どちらかといえば、一般にイメージされるボードゲームよりも、パーティーゲームの要素が強く出ています。そのため、戦略性や思考力が求められるゲームではなく、その場の雰囲気を楽しむことが中心となるゲームです。
筆者は、このゲームをボードゲーム会の導入に使用することが多いです。ルール説明にも時間がかからず、勝ち負けがないことから空気が悪くなることもありません。また、最初のお題と全く異なる絵になるため、どうしてその答えになったのかを後から見返すと必ず笑いが起きます。そのため、温かい雰囲気で次のゲームに移ることができます。何か盛り上がれるゲームを探しているのであれば、このゲームをおすすめします。
おわりに
いかがでしたでしょうか?魅力あるボードゲームに出会えるかどうかはやはり運だと思います。ボードゲームは遊びきれないほど多くの種類が発売されており、その中で私たちが遊べるゲームは限られているかと思います。もちろん、当サイトを含め、ゲームのおすすめやレビューを紹介するサイトは多くあります。しかし、やはり実際に楽しいかどうかを感じるには自分で遊んでみるしかありません。
今回の記事は、出会いの幅を広げてほしいという思いから執筆しました。筆者は対戦型ゲームばかりをプレイしており、協力型ゲームはプレイしたことはありませんでした。しかし、『パンデミック』との出会いから協力型ゲームの魅力に気づきました。『パンデミック』は面白いという話や記事は読んでいましたが、実際に遊ぶまでその魅力は伝わってきませんでした。
この経験から、筆者は無意識に避けてしまっているゲームの中にも面白いゲームが多々あると感じました。そのため、普段とは異なるジャンルのプレイが未知なる魅力あるゲームとの出会いにつながると考えました。
当記事が、皆様のボドゲライフをより豊かにし、魅力あるゲームに出会うきっかけとなればと思います。