海賊カタンから考える貨幣の役割~MBA第11講~

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皆さんはカタンの開拓者の拡張版である「探検者と海賊版(以降海賊カタン)」をプレイしたことはありますか?
*海賊カタン(カタン拡張版)の詳細はこちら

通常のカタンと「海賊カタン」では、基本的なルールは同じですが、それに加えて「交易をする」「魚を取る」「蛮族を駆逐する」等といった様々な要素が加わり、いろいろな得点の稼ぎ方が出来ます。しかし、「海賊カタン」と通常のカタンをプレイしていて感じる楽しさは似ているでしょうか?

この2つのゲームは全く違うゲームの様に感じられる方も多いと思います。通常のカタンは、資源を手に入れるためにプレイヤー間で「資源の取引」が行われ、その「取引の交渉」が楽しさの一つです。
しかし、「海賊カタン」ではプレイヤー間での「資源の取引」が、通常のカタンよりは少ない場合が多いです。それは、「」という貨幣があるからです。

」:金は何とでも2:1で交換可能。

なぜ「」という貨幣があるとプレイヤー間での「資源の取引」が活発ではなくなるんでしょうか?

それは貨幣の機能によるものです。

貨幣には一般に次の3つの機能があると言われています。

1.計算単位(価値尺度)
交換される商品の価値をある貨幣の数量で一元的に表示する機能

2.価値貯蔵手段
貨幣が一定の価値を少なくとも一時的に蓄える

3.交換手段
貨幣がすべての商品と交換され、すべての商品の交換の媒介となる機能

1.価値尺度
全ての資源は金2で買うことが出来ます。つまり、全ての資源の価値は少なくとも金2より大きくはなりません。例えば通常版のカタンでは資源の産出にバラツキがあるため、「1:2交換」、「2:3交換」といった交換も成立しました。しかし、海賊カタンの世界では全ての資源が「金2」の価値となるため、そういった交換も少なくなります。

2.価値貯蔵手段
カタンにはサイコロで7を出した時、手札が8枚以上であれば盗賊に半分奪われるという鬼畜ルールがあります。しかし、として資産を貯蔵しておけば、一定の価値の資産を一時的に蓄えることが出来、かつ盗賊(海賊)から身を守ることも出来ます。

3.交換手段
おそらく、これが海賊カタンを通常カタンと別のゲームへと変えてしまった最大の理由です。従来、貨幣のない我々の祖先の社会では、人々の間では物々交換が主流でした。しかし、貨幣の登場によって物々交換をする人は少なくなりました。なぜなら交換の際に、一度貨幣と持っている資産を貨幣と交換してから、欲しいものを貨幣と交換する事が増えたからです。

海カタンもそれと同様で、通常のカタンの「物々交換」の社会から「貨幣経済」の社会に変化してしまいました。それがゆえに、通常カタン本来の面白さの一つであった「資源の取引の交渉」が少なからず失われてしまったのです。

もちろん、海賊カタンは資源の交換が楽になったので、「」や「交易」に集中し、いろんな遊び方が出来るようになっています。同様に、今の社会は「貨幣」によって非常に豊かになっています。貨幣がなければカタンの「取引の交渉」のような心理戦を、我々は日常的に行わなければならなかったかもしれません。

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