更新日 2018年12月2日
以前、初心者がカタンを遊ぶ際に、念頭に置くべき3つの戦略・テクニックについて特集しました。今回の記事では、前回に引き続き、具体的な戦術について考えていきます。今回題材になるのは、カタンの中でも有名な『羊と専門港』を用いた戦術です。この戦術は、普段手札の中で余ってしまう羊の価値を最大限にまで高めることができる戦術になっています。この戦術のことを、当記事では羊貿易作戦と呼ぶことにします。この戦術は多くのカタンプレイヤーに認知されている最も基本的で、かつ、いわゆるハマれば強い戦略です。今回は、この戦術について紹介し、なぜ多くのプレイヤーがこの戦術を用いるのか説明していきたいと思います。
羊貿易作戦の説明と初期配置
羊貿易作戦とは、「開拓地周辺の資源タイルから得られる羊を、専門港を用いて、必要とする資源と2:1の割合で交換する戦術」です。この戦術が特に機能するのは、羊の専門港と羊の資源が取れる地形タイルが同時に存在している場合です。盤面を見て、羊貿易作戦が有効だと思ったら専門港の確保を頭に入れておいてください。例えば、ここでは羊の地形タイルの上に6という魅力的な数字チップが置かれています。また、隣にある麦の地形タイルにも8という魅力的な数字チップが配置されています。他の要素も考慮に入れる必要がありますが、この画像のような配置であれば、羊貿易を行うのに適していると考えられます。この戦術は、最初の見極めが肝心となっています。もし、羊の数を十分に確保できないと考えられる場合には、この戦術をあきらめることも重要です。
二つ目の開拓地と立ち回り
二つ目の開拓地の配置についてですが、羊・鉄・麦が十分に取れる配置を重視しましょう。むしろ、木や土を考慮しなくても構いません。羊は貿易の材料になります。一方、鉄・麦を重要視するのは、都市への発展により羊の獲得を加速させるためです。都市の周りの土地タイルから羊を獲得した場合、貿易を通じて羊二枚を好きな資源1枚と交換できるようになります。
そのため、立地により不足していた木や土などの資源は、羊を対価とした貿易で手に入れることができます。序盤でこの環境を構築することができると、非常に有利にゲームを進めることが可能となります。
この戦術のメリット・デメリット
この戦略のメリット・デメリットについてそれぞれ説明します。
- メリット
羊が十分に供給できる環境が構築できると、資源を自由に獲得することができます。そうなれば、必要な資源を得るために相手と不利な交渉をすることを避けることができます。羊を獲得できる土地タイルの出目が出さえすれば、資源を環境に縛られずに自由に獲得することが可能となり、これがこの戦術の最大の強みと言えます。カタンでは、相手との交渉がゲームのカギを握ります。自分が勝利に近づくと、他のプレイヤーは協力を拒み、交渉に応じなくなることもあります。そのとき、この戦術では、他にプレイヤーに依存せず資源を自由に獲得できるという点で、カタンの難しさを一つ克服できる強力な戦術ともなりえます。
- デメリット
憶測を見誤り、羊が十分に供給できない状況となると、最悪の場合何もできないことがあります。この羊貿易作戦は、羊の資源が十分に獲得できることが大前提となっています。ゆえに、羊が手札に加わらない状況に陥ると、うまく戦術が回らなくなります。また、この戦術では羊の土地タイルに盗賊が置かれると、機能不全になる恐れがあります。さらに、各プレイヤーはこの戦術の有用性を認知しており、意図的に羊の供給地を潰しに来ると考えられます。これらの理由から、この戦術にはリスクが伴います。
今回は、羊と専門港を用いた作戦を特集しました。カタン経験者であれば知っている非常に有名な戦術であり、対処法を知らなければそのまま負けてしまうほど強力になりうる戦術でもあります。相手に先を越され、実際に自分で使うことができなかったとしても、この戦術の欠点を把握するだけでも対処することができるようになるのではないでしょうか。この記事が、皆様のカタンライフをより楽しくできるものになれば幸いです。