カタンとファイナンス理論『分散投資効果』~MBA第一講~

更新日 2018年2月7日

こんにちは、ピロQです。この度はBoard Game to Lifeにお越しいただき有難うございます。

Master of Board game Adiministrationの第一講では、経営学大学院で学ぶ基本的な理論をご紹介します。

分散投資効果とはファイナンス、つまり株式投資等で使われる理論です。ボードゲームも基本的には『投資→回収』することでポイントを稼いでいくものが多数です。ですので実は、投資理論を当てはめられることも多いのです。今回は不朽の名作『カタンの開拓者』を通じて投資の理論を説明していきます。


カタンの開拓者で最初に開拓地を2つ置きますよね?皆さんはまず最初に何を考えますか?大抵は資源のよく取れるパネルの確保か、港の確保ですよね。今回は「より多くの資源を獲得する事」を目的として考えて行きます。狙うのは確率の高い86のパネルです。

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1つ目の開拓地を『6』のパネルに無事に置けたとします。そして2つ目の開拓地を置く際に、まだ『もう一つの6』と『8』のパネルが空いていたとします。

この場合、どちらに置くべきなのでしょうか?



経営学の場合、一般的に投資のリターンとは期待値を指します。

ここで単純に考えるために、カタンにおける”開拓地への投資”のリターンを”貰える資源数の期待値”で損得を考える事にしましょう。

この場合は『6』と『8』どちらに置いても、5/36の確率で資源を1枚貰えるので、最初の2つの開拓地の合計リターンは10/36でリターンは同じです。

 

しかし実はこの2つは経営学上の投資の観点からすると、リスクが異なるのです。

※投資のリスクは統計学上の分散(もしくは標準偏差)にあたります。数字苦手な方は細かい数式等は読み飛ばしても大丈夫です。

6を2つ選んだ場合のリスク
2^2 × 5/36 ー (10/36)^2 = 620/1296  ①
86を選んだ場合のリスク
1^2 × 10/36 ー (10/36)^2 = 260/1296  ②

となり①>②の方がリスクが大きいのです。この様に6に集中投資するのではなく、86分散して投資した方が同じリターンでも小さいリスクで済むのです。

これは株式投資でも同じで、単一の銘柄に投資するよりも、複数の銘柄を組み合わせた方が小さいリスクで大きなリターンを得られるのです。これを分散投資効果といいます。現代の投資理論の基礎的な考え方です。

勿論カタンでは最大3つのパネルに接する場所に開拓地を置くので、この様に単純ではありません。しかし、数字が出来るだけ重複しないように置く方が分散投資効果が働くので効率の良い投資であると言えます。

皆さんもカタンをやる時は、是非この分散投資効果を考えてみてはいかがでしょうか?


私がMBAで経営の勉強に使用してて良かった書籍も紹介しています。興味があれば覗いてみて下さい。
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